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市民バス事業・大火の経験と教訓を視察 - 総務常任委員会 - 市議会議員 鈴木 智

がれき撤去が終わった被災地・写真奥のやや右寄り付近が火元=10月27日
がれき撤去が終わった被災地・写真奥のやや右寄り付近が火元=10月27日
10月26・27日、総務常任委員会の視察で、富山県魚津市(人口約4万2千人)、新潟県糸魚川市(同約4万4千人)を訪れました。

初日、魚津市でのテーマは市民バス事業です。自動車保有率の増加などで民間バス路線は縮小、高齢化に対応する市内公共交通の確保が課題とされてきました。実験運行では、市民との直接対話を重視する中で改善や変更を重ねたということです。特に、郊外コースでは各地域NPOが運行を担うなど、地域主体に運行を続け近年は民間事業者に委託し、路線検討や利用促進には地域利用促進協議会が当たっています。その他、バスサポーター制度などの市民が支える仕組みなど、ユニークな取り組みをしています。

蕨市とは、環境が大きく異なるものの、市民の足としての位置づけや市民を巻き込んだ運営など、バス事業の在り方についての新たな視点を学びました。

糸魚川市役所前にて(鈴木議員)=10月27日
糸魚川市役所前にて(鈴木議員)=10月27日
2日目、糸魚川市では昨年12月22日に発生した大火の経験を聞きました。その日、午前10時20分頃に一軒の飲食店から出火した火災は、南からの強風により延焼。15か所以上とも言われる飛び火による延焼で火災は一気に拡大し、通常は後方支援に当たる地元消防団も直接火元に向かわざるを得ない状況に。「想像を超えた(糸魚川市消防職員)」規模だったといいます。

新潟県内、富山県、長野県の消防や警察などの支援をうけ、さらに、防火水槽への給水や土木作業、給油などでは、民間事業者への協力も得るなど、総力を挙げての消火活動でした。結局、鎮火に至ったのは出火から30時間以上たった翌23日16時30分でした。焼失面積4万?、焼損棟数147軒など、糸魚川市の古くからの中心市街地に深刻な被害をもたらしました。

担当者からは、避難の際に地域の町内会が一軒一軒に声かけを行い、犠牲者を出すことなく避難できたこと、災害後の街づくりはブロックごとに意見を聞きながら、地元に住み続けられる再建を目指していることなども説明されました。実際に大火となった場合、現場はどのような状況になるのか、何に注意して対応すべきなのかなど、貴重な話を伺いました。

早朝に訪れた被災現場(写真)は、がれき撤去もほぼ終わり、一部では再建に向けた動きも始まっていました。近所の方から当時の話を聞き、広大な空き地となった現場を前に、ひとたび大火となった時の被害の深刻さ、何よりも火災予防の重要性を痛感しました。