index
環境福祉経済常任委員会行政視察報告
住民の健康を守る新しい取り組み(岩手県遠野市・同釜石市)を視察

市会議員 志村しげる
市会議員 鈴木さとし

 11月9〜10日、環境福祉経済常任委員会の行政視察が行われました。
 遠野市は、民話の里として全国的に知られた街ですが、一方で、広大な市域、県内有数の寒冷地、少子高齢化や過疎化の進行、医師不足などにより、市民の健康づくりや、安心して分娩・子育てできる環境は重要課題となっています。そうした中、家庭のパソコンなどから各種「すこやか電子手帳」を通して各種健診結果が得られ、日常データを書き加えることで健康管理が可能となる「すこやかネットワーク」が始まりました。医師とデータを共有し適切なアドバイスを受けることもでき、特に、妊産婦にとっては、モバイル胎児心拍転送装置を備えた助産院「ねっと・ゆりかご」とともに、分娩可能な医師の不在や小児科医不足を補う施策となっています。
 沿岸部に位置する釜石市でも、人口減少・少子高齢化、核家族化や地域力の低下が深刻化。病院の統合等もあったため、保健福祉体制の充実が課題となっていました。その対策として、市内7か所に「生活応援センター」を設置。それぞれで、地域づくり、健康、介護、生涯学習、行政窓口業務など、各課にわたる業務を一体的に実施する「地域応援支援システム」を実施しています。地域生活の安心、地域と密着したサービス提供、健康を守ることの意識化、地域・家庭を支える力が生まれる、などの効果があるということです。訪れた唐丹地区生活応援センターで、行政と住民による「地域会議」の様子、生涯学習と保健・介護を一体的に行うことで可能となった対応など、苦労も含めて具体的な話を伺いました。
 新しい技術や施策だけでなく、厳しい環境や財政状況の下で市民の命と健康を守る自治体の熱意を学んだ視察でした。