市内の福祉施設を見学 - 聞くだけではよく分からない施設の実際を学ぶ(2004年10月15日)
蕨市生活と健康を守る会は2004年10月15日、市内の福祉施設見学会を行い、梶原秀明市議が同行しました。3つの施設、デイサービスセンターないとう(塚越)、特別養護老人ホームサンクチュアリと第二サンクチュアリ(北町)、総合社会福祉センター(錦町)を見学したものです。
「デイサービスセンターないとう」は2003年4月1日に開設し定員24名です。介護保険の介護認定を受けた人が利用できるもので、施設に通って入浴や食事サービス、機能訓練を受けることができます。「ないとう」では、2台の車で送迎サービスを行い、食事は昼食のみで自己負担は1回4百円、車椅子のまま入浴ができる最新施設が整っています。
次に訪れた特別養護老人ホームでは、はじめに施設長の須藤さんから概要の説明を受けました。昭和57年5月に開設したサンクチュアリは、四人部屋を18、2人部屋を4つ備えています。平成12年4月に開設した第二サンクチュアリは、若干の近代化をはかり個室中心で、50床のうち個室が18とのことでした。昨年4月1日から、介護度の重い人を優先するように入所基準を改定し、両サンクチュアリでは重度化が進んでいるとのことです。一ヶ月分の費用は、介護保険の1割の利用料と食事の自己負担分として、介護度1で約4万4千円、介護度5で5万2千5百円とのことです。希望者全てが入所できるようにしてほしいという感想も出されましたが、施設長からは「やはり施設が足りない」と説明されました。説明のあと相談員の方に所内を案内していただきました。
厚生労働省が検討している介護保険の見直しにおいて、特養ホームなど、施設サービスについては、ホテルコストの本格的導入で、現在の2倍の利用料にしようという議論もあり、現在の利用者の中で料金を支払えない人も出てくることが予想され、批判が必要です。
最後の見学の総合社会福祉センターは、身体障害者・知的障害者・老人介護支援センター・ケアハウス(経費老人ホーム)・在宅ケアセンターなど、社会福祉に関するさまざまな需要にこたえるべくつくられた複合的な施設であることが、よりよく分かります。
センターの3階はリハビリを行うための器具や多目的ホール、陶芸室や視聴覚室を備えます。2階は、介護用品の展示室などを置き、具体的な介護相談にも答えられるようになっています。福祉作業である「レインボー松原」ではパンや箱の製造販売を行い、社会参加を促します。ここでの作業賃は月7千円ほどだそうです。ケアハウスは個室が満室で現在8名が空きを待ち、夫婦部屋は2つ空いていますが、夫婦で月20万円を超える利用料のせいか応募がないことが議会でも議論になっています。在宅ケアセンターでは、福祉連絡システムの説明がされ、参加者から「いざというときには便利だ」との声がありました。
最後に参加者から「(特養ホーム入所者の表情などを見て)悲しくなる部分もあったが全体としてはいい見学会だった」「聞くのと見るのとではぜんぜん違う。一度は見ておくべきだよ」など感想が出されました。
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