梶原秀明前市議の過去ページ
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3月議会の問題点を訴える(2005年3月)

今度の議会は、合併がなくなって、今後の蕨の街づくりをどうするのかを問う最初の予算を審議する議会です。市長は、合併推進のために2億円ちかいお金をかけてきたことへの反省もなく、今度は、行政改革だと、市民への負担をふやす案を検討しています。今度の議会ではその第一段として出されたのが、敬老祝金の大幅な削減でした。しかし市長の提案には早くも疑問が出されました。16日(水)に開かれた常任委員会でこの提案を審議しました。私は当然この案には反対、経過措置もなく大幅な削減には同意できないとして反対を表明しましたが、他の会派の議員からも反対意見が続出し、結局、全員が反対を表明したわけです。市長の与党からも、市長の提案には同意できないという意見が出たことは、市長サイド内部にも大きな矛盾が出ていること、市長のリーダーシップが弱っていることを示しています。

今度の議会にはいくつかの特徴があります。市長が進める悪い政治が市の予算案に現れていると同時に、これまで市民の要望・世論を反映して前進している内容もあるということです。悪い政治の点では2つ。ひとつは駅西口の大型開発に本格的に踏み出そうとしていることです。市の説明では15年間かけて31階建てのビルを2つ、20階建てのビルをひとつ建設するとのことです。それにかける総事業費は約200億円、市の試算ではそのうち市民の税金で手当するのが20億円です。しかしこれは、建設したビルが目論見通り売却できたと仮定しての試算であって、そのとおり進まなければ市の負担で補填をすることになります。

悪い政治のもうひとつは、増税を検討していることです。市長の説明では、来年4月から都市計画税を値上げしたい、そして再来年4月からは健康保険税を値上げしたいといっています。いま、市民の税金や社会保険料の負担は年々増えています。さらに、国政の税制改悪の影響、配偶者特別控除の上乗せ分の廃止、老年者控除の廃止、年金控除の縮小が行われ、国会では定率減税の縮小・廃止が検討され、税金などがどんどん増えていく状況です。そのうえに市民にたいする増税、都市計画税と健康保険税の増税は、市民生活をますます厳しくするものです。市長の進める増税路線には、市民の世論を大きくして、ストップの流れをつくっていきましょう。

一方で市民の願いが実現したものとして、ファミリーサポート事業がいよいよ始まることがあげられます。日本共産党は子育て世代の要望が強いことから、これまで幾度も議会でこれを取り上げてきました。この事業は、子供を預かりたい人と預けたい人が会員登録して、錦町にある社会福祉センターが窓口になり、保育園などへの送迎を保護者に代わって行ったり、子供の一時預かりなどをするものです。会員募集などの準備を経て八月開始の予定です。利用料金は1時間あたり7百円から9百円の見通しですからひと月に何十時間も利用するというわけにはいきませんが、ちょっとした事で子供をみられないというときには役に立つのではと思います。なお、この事業はあくまで保育事業を補完するものですから、この事業のために保育園や幼稚園の運用が悪くなってはいけません。ひきつづきこれらの課題、市政へ要望を出していきたいし、みなさまからも積極的に市に意見を言っていただきたいとお思います。

確定申告が終わりましたが、今年の相談会では、年金からの天引きが急に増えたということが大きな話題となりました。去年まで年金額が少ないために税金を取られていなかったのに、老年者控除の廃止などの影響で、ある人は2ヶ月分で2万6千円も増えたとの事です。小泉内閣の庶民増税路線は許せません。それと並行してすすむ蕨市の増税路線にも私は厳しく対決していく決意です。

一般質問についてですが、市の制度には、所得の額に応じて、利用料金や保険料金が決まったり、利用できるサービスがいくつかあります。たとえば保育料は前年の所得により、次の年の料金が決まります。国の税制改悪は庶民泣かせのもので本当に受け入れがたいものですが、配偶者特別控除の上乗せ部分が廃止されたことで、昨年の所得が増えているサラリーマン家庭もいらっしゃるかとも思います。収入は変化していないのに税制の影響で所得が増える、その結果、保育料が値上げになるという世帯がでてしまいます。これでは保育料の実質値上げです。そうならないように市は調整を図るべきです。国の税制の変更に伴うこのような影響は、保育料だけではありません。学童保育の保育料、家庭保育室への助成、児童手当や児童扶養手当、介護保険料、国民健康保険税、重度障害者や高齢者への家賃補助制度など、多くの分野に及びます。こういう事例を私はいま調べていますが、ぜひ皆様の友人・知人で影響を受けている方があれば、ぜひ教えていただきたいと思います。私はこの点を今度の一般質問で当局の態度を質してまいります。ごいっしょに市に対して声をあげていきましょう。