梶原秀明前市議の過去ページ
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9月議会報告 - 9月4日の集中豪雨への市の対応を問う(2005年10月)

給与の差し押さえが急増。学童保育室や公園整備に問題あり。昨年度決算審議から

共産党議員団は2004年度決算審議で市政を質しました。その中で、滞納対策が強まっていることが明らかになりました。債権(給与・預金など)の差し押さえが、02年121件、03年329件、04年943件と急増。当局は「換価性が高い債権の差し押さえを強める」としています。党議員団は、生活をこわす差し押さえがないか、相談活動を続けています。

他に、北町学童保育室の定員オーバーの問題と、公園整備をとりあげました。県の基準にも沿い、学童保育指導員を増やすべきこと、公園の犬猫対策ネットがまだ北町内の公園にないことの改善を求めました。

9月4日の集中豪雨、市の対応の遅れを質問し抜本対策を求める

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梶原議員は、9月4日深夜の集中豪雨についての市の対応と、今後の根本的な対策について質問しました(質問と答弁の概要は梶原議員の一般質問も参照ください)(写真は翌日の市内の様子)。1時間で70ミリ、2時間で130ミリと、長時間にわたって強い雨が降り、予期できないほどの大量降雨となりました。蕨市の下水道は(全国の一般的基準と同様に)1時間に50ミリまでの雨に対応できる構造で、今回はその基準をはるかに上回る雨が降り、下水管があふれ、道路や住宅が浸水してしまいました。

今回の市の対応は、午後5時8分に大雨洪水警報が出ていたにもかかわらず、それへの組織的対応はなく、ある市幹部が「警報なんてしょっちゅう出ていますから」と言い訳するのにはあ然としました。夜8時半から雨は強くなり、9時前にはあちこちで下水管があふれていたのに、市が災害対策を正式に発令したのは夜10時と、遅れました。消防本部と道路公園課は、独自のマニュアルにもとづき、市長の指示がなくとも対応していましたが、それも限界があり、あちこちで土のうが届かない、市役所に電話をしてもつながらない、との市民からの苦情も多数ありました。

市全体としての指揮系統に弱さがあることは明らかで、この点を9月議会で梶原市議や志村市議が指摘したところ、「(日曜日の夜という条件もあり)参集できない職員が多く対応できなかったことは反省して今後に生かす(都市整備部長)」「行き渡らないこともあったが今後自主防災会(町会)とも協議して対策を考える(市民生活部長)」など、不手際を認める答弁がありました。

市当局は、今後の抜本対策として、緑川の拡幅、調整池の設置、低い土地への建築指導の強化、などを示しました。(蕨北町などの雨水は、下水管を通り、市内の緑川を経由して最終的に荒川へ流れる)。緑川を拡幅すれば雨水は流れやすくなるのですが、下流の戸田市内で反対が強く、まったくめどがたっていません(実施主体は埼玉県)。建築指導とは、家屋を建てる際に、土台を道路より高くするよう市が指導することですが、対象は新築のみで、既存家屋には適用できません。結局、調整地の設置が唯一の抜本対策です。緑川に雨水を流す前の、一時的なため池の役割を果たし、集中豪雨には効果があります。しかし市の見解は、1億円から2億円の設置費用がかかり消極的です。

議会で市長は、「床上浸水はゆゆしき問題」「できるだけ早く(抜本対策を)計画していきたい」と言いましたが、財政が厳しい、今回の水害はめったにないことだから我慢してくれと、言わんばかりの姿勢です。

梶原市議は、市内で一番被害の大きい北町地域への調整地の設置へむけて、ムダな開発などにかけるお金があるなら、市民の生活環境を優先するべき、との立場で、ひきつづき取り組んでいきます。