梶原秀明前市議の過去ページ
蕨市障害福祉計画に意見を提出(12月9日)
蕨市が蕨市障害福祉計画(素案)について、市民からの意見を12月14日まで募っていましたが、かじわら市議は12月9日に意見書を提出しました。意見をまとめるにあたり、障害者とその家族の皆さんから、ご意見・要望をいただきましたことに感謝いたします。(かじわら秀明)
蕨市に提出した意見書は次の通りです。
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蕨市障害福祉計画(素案)への意見
2006年12月9日
北町1−21−19
梶原秀明
素案の「計画の重点課題」に沿って、記述しています。
1、 地域生活移行の支援強化
・補そう具を使って安心して移動ができるように、道路の整備は不可欠。自動車の交通量の多い市道については、さらに歩行者専用レーンを作ったり、歩道の表面を滑らかなものにして車椅子利用者に振動が伝わらないようにする等、道路行政の立場からも計画を立ててほしい。
・地域生活移行にあたっては、介助者・家族の負担が増えることも考えなくてはならない。家族の負担軽減の対策として、市内、または車で30分程度の近隣地に、ショートスティを建設するべき。現在、嵐山町のショートスティ施設までの移動に、運転手報酬と高速道路代金で、たいへんな負担になている人がいる。
・グループホームやケアホームなどは、市内5地区のそれぞれに1ヶ所以上設ける計画としてほしい。
2、サービス提供体制の確保
・市国保の重度心身障害者に対する窓口払いがなくなっているが、国保以外の障害者については、いぜん償還払いとなっている。少なくともすべての重度心身障害者の医療費については、蕨市国保以外についても、窓口払いを廃止する計画にしてほしい。川口市においては、乳幼児・重度心身障害者・ひとり親世帯については、窓口払いを廃止するとの報道があった(12.9付朝日新聞)。
・障害者自立支援法の最大の問題点は、応益負担を導入したことである。障害を負った責任が当人にはないのに、ノーマライゼーションのためのサービスを受けることが「利益」だとされている。応益負担制度は廃止すべきである。現行法のもとでは、少なくとも、市等が、利用者の負担を軽減する施策を持つべきである。その中でも優先度が高いのは、負担能力の低い(あるいは無い)低所得者への軽減策である。生活保護基準すれすれの人にまで負担を求めている実態がある。負担能力の無い人は、わずかばかりの貯金を食いつぶして、利用料を負担している現状がある。国の軽減制度では全く足りない。
3、就労支援の推進
・就労支援として、作業所の工賃を上げることもめざされている。このこと自体は望ましいことだが、そのために、平均的な作業能率に追い付けない障害者の作業所への入所を排除したり、差別するようなことがあってはならない。障害者の尊厳を守ったうえでの、工賃増の計画としてほしい。
・作業所にとっての仕事の受注先を確保する計画も含めてほしい。
・「素案」では「企業などの雇用者の意向もふまえて」としている。雇用者が障害者を採用しやすいような条件整備が必要である。障害者を雇った企業に市の仕事を優先して発注できるような仕組みをつくってほしい。また、一定割合の障害者を雇用している企業に、仕事を発注する企業に、税を軽減するなど、企業のインセンティブを高める計画も作ってほしい。
4、相談支援体制の充実について
・「幅広い行政サービスを調整するケアマネジメント」を強調していること大切です。このケアマネジメント能力をもつ市の専門職員を養成することを望みます。
・障害者団体関係者と、医療関係者との連携体制として、相対的に人数が少ない知的障害者と精神障害者に配慮した体制構築をしてほしい。
・障害程度区分判定として、一時判定と二次判定の食い違いが指摘されている。特に、知的障害と精神障害では、食い違いが50%前後にもなるとの調査もある。適切な区分判定のための体制、判定に異議がある場合の相談機能を充実してほしい。
・従来の相談は、役所の窓口まで当人や家族が出向くことが事実上強く求められていた。電話の応対では障害者や家族も、真意がなかなか伝えられず、結局相談そのものをあきらめてしまう実態もある。逆に、相談員が、公民館や福祉施設、グループホーム、さらには当人宅まで出向いて、ていねいな相談ができるような体制を望む。
以上