梶原秀明前市議の過去ページ
生活保護三郷事件裁判始まる(10月31日)
行政が生活保護について不当な運用をしたとして、三郷市を相手にしての裁判が、本日第1回公判として、さいたま地方裁判所で始まりました。私は傍聴しようと、開廷時の10時に出向きましたが入れません。法廷は開廷30分前に70の傍聴席がすでに満席、法廷の外では60人以上の市民が裁判を見守りました。
この裁判は、三郷市に住んでいたAさん(現在入院中)ら家族4人が生活保護を申請したにも関わらず、三郷市がそれを拒否したもの。原告は平成17年1月から6月まで、計10回も市役所の生活保護窓口に出向いたにもかかわらず、市側は拒否。6月21日に弁護士が同行したところすんなり生活保護が認められたものの、なぜか家賃扶助は出ず。その後、市は夫の実家のある葛飾区へ転居するよう指導し9月に転居。その際三郷市の担当者は「葛飾では保護を申請しないように」とくぎをさしたそうです。しかし生活困窮の原告は、葛飾区で弁護士も同行して保護を申請、認められています。
平成17年1月から9月までの三郷市の対応は違法であるとして、損害賠償などを求め訴えたのが今度の裁判です。三郷市の主張は、「相談をしただけで生活保護申請はなかった」「保護を受けるような切迫した状態ではなかった」というもの。三郷市は原告に対して正面からあらそうかまえです。
「夫は白血病で、いまも命に関わる重い病気と闘っています。そんな状態の夫が、この裁判の原告になることを決意したのは、生活保護の仕事をしている役所の方々が、この裁判を通して、苦しんでいる人たちに救いの手をさしのべる優しさを取り戻してほしい、これからは私たちと同じようなつらい目にあわせないでほしいと、思っているからです」(Aさんの妻の意見陳述書より)
本日の公判後、裁判所近くの埼玉弁護士会館大会議室で、裁判報告集会が行われ、百人以上の支援者が集まりました。弁護団を代表して、中山福二弁護士などが今後の裁判のスケジュールや、支援の訴えを行い、会場からは、生活と健康を守る会の埼玉県連会長や、大宮守る会の会長、蕨守る会の浅名会長などが、この裁判はなんとしても勝たなければならない、われわれも全力で支援すると述べました。蕨からは、生健会の会員も参加、行政からは蕨市生活保護係の課長補佐も裁判を傍聴していたことが報告され、行政関係者も注目していることがわかります。
次回公判は、12月26日、夫の入院先での夫の証人尋問を経て、来年1月23日午前10時さいたま地裁の予定です。わたくし梶原も、憲法第25条の生存権を守るために、この裁判の原告を支援することをここに表明します。(10月31日 記)