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自動車の速度を下げる安全対策を視察 - 千葉県鎌ヶ谷市(1月17日)

まずは市役所で説明を受ける
まずは市役所で説明を受ける
県南都市問題協議会の交通問題研究部会は、17日に千葉県鎌ヶ谷市の「くらしのみちゾーン事業」について視察し、部会員である私も参加しました。

鎌ヶ谷市は面積約20平方キロ、人口約10万人で、市側の説明では「虫食い的」に開発が進んだため、道路が狭いのが特徴とのこと。そのため、通学路・生活道路を多くの車両がいきかい、交通安全対策が市の重要課題です。

市内の地区ごとに事故状況を統計処理した結果、事故多発の東初富地区(64ha)を「くらしのみちゾーン」に指定し、この数年、住民とともに交通安全対策をはかってきました。この地区は当初、「自宅前のゴミ集積所に行くにも、自動車が連続してくるので道を渡れない」状況だったそうです。近くに渋滞する幹線道路があり、車両が生活道路に入り込んでくるのが原因でした。住民と市でワークショップを開催し原因分析と対策を協議。車両進入禁止の案もあったそうですが、国交省のシミュレーションソフトで計算すると、渋滞が激しくなり、住民にとって逆に不便になる結果も分かり、結局、生活道路内の車両の速度を下げることを目標にしました。
道幅を2メートルに制限しています
道幅を2メートルに制限しています

その対策として、交差点の地面を15センチほど盛り上げる「交差点ハンプ」10箇所、道幅を2メートルに縮める「狭さく道路」1箇所(写真)、交差点を目立たせて注意を喚起する「カラー舗装」5箇所、などで車両のスピードを落としました。

対策の結果、生活道路を時速40km以上で走る自動車が、46%から4%に激減、地区内の人身事故は24件(02年)から12件に激減(06年)するなど大きな成果をあげました。なお、事業費は約1億9千万円、このうち国の補助が55%ついているそうです。

蕨市の街づくりを考えるうえでも、大いに参考になる事例でした。
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