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一般質問の発言

本日、市議会本会議にて一般質問を行ないました。
以下に、1回目の発言、全文を掲載します。答弁などは後日掲載します。
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日本共産党の梶原秀明です。
4点質問します。

まず、公共施設の改修・改善についてです。昨年12月議会でもいくつか議論がされました。そのなかで、頼高市長は、「公共施設の維持管理改修が十分行われてこなかった問題」などについて、「率直な現状を市民の皆さんにお知らせし、ご理解いただく努力を行っていく必要があると」述べ、「施策の実施に当たっては、優先順位を踏まえた厳しい選択をしなければならない」と述べています。
そこで、私は、現在の蕨の公共施設がどうなっているのか、明らかにする立場から質問をします。

まず、蕨市に、どれほどの施設があるかでありますが、毎年9月に議会に提出される参考資料である財産調書には、2007年度末現在で136の施設が掲載されています。内訳は、市役所本庁舎関係が2、消防署関係が6、学校が47、コミュニティセンターや保育園などが45、わらび山荘が14、などであります。これらには、小さな倉庫なども含まれていますから、主要なものは100程度といえます。その総床面積は、約14万平方メートルとなっています。

これらの施設がいつ建てられたのか、大雑把に言うと、最も古いといえるのが、市役所の本庁舎で、1964年の落成で、まもなく44年が経過しようとしています。中央コミュニティーセンター、南町コミュニティーセンター、および市民会館は1974年落成で、築34年ということになります。つづいて76年に塚越コミュニティーセンター、78年に錦町コミュニティーセンターが落成し、翌79年には、現在の図書館が新築されています。図書館は、築29年となります。80年には北町コミュニティーセンターが落成しました。いまあげた主な施設は、耐震基準を新しくした建築基準法が施行された82年よりも前に建設されたもので、その耐震対策は、議会でも議論されてきたところです。学校施設の関係では、4年間の耐震化計画が立てられ、実施されますので、今日の質問は、学校校舎以外の公共施設に焦点を絞ります。

「公共施設の維持管理改修が十分行われてこなかった問題」について、過去の蕨の財政を、普通会計に限定し、決算資料などから調べてみました。蕨市の財政的な転換は、1992年と1993年の間にありそうです。1993年に市債を42億6千万円発行しています。その主なものは、貨物駅跡地約4500平方メートルを土地開発公社から約36億円で買い戻すための市債の発行(すなわち借金)でした。一方この年の借金返済は、利息込みで約8億6千万円でした。また、93年と94年の2ヵ年事業として総合社会福祉センターの建設が行なわれ、約30億円が投じられました。その結果、市債残高は1992年度末で約64億円だったものが、93年度末には約104億円になり、以降、借金返済よりも新たな借金が上回るようになりました。市債残高は増え続け、田中市長の最後、8期目の2004年度末がピークで164億円となりました。

蕨の財政の推移を大きく見れば、93年度以降、硬直化が進み、公共施設の改修・修繕にかけられるお金が少なくなってきたことがわかります。実際公共施設建設の歴史をふりかえると、1980年代から92年までは、福祉・児童センターの開設、わらび山荘の開設、保健センターの開館、歴史民族資料館の開館、と続きますが、93年以降今日まで、主要な施設としては、総合社会福祉センター、交流プラザさくら、などだけにとどまっています。

そして、最近の5年間の財政における公共施設の改修・改善を振り返ってみても、年間にかける予算は2億円ほどにとどまっています。建物の資産価値を高める、あるいは維持するための長期修繕は全く行なわれていないのが実態です。たとえば、築34年の市民会館は大規模修繕が行なわれないまま現在に至り、ここ5年間では、冷暖房機の改修、エレベーターの耐震化工事、音響設備の改善など、部分的な修繕にとどまっています。築28年の市民体育館・北町コミュニテイセンターについても同様で、弓道場改修や屋上防水の修繕、外壁の改修、空調の修繕などにとどまり、築29年の図書館は、毎年400万円前後の修繕を行なうにとどまっています。

古い建築基準法のもとでたてられたものは、ざっと10あります。市役所、中央コミュニティーセンター、南町コミュニティーセンター、塚越コミュニティーセンター、錦町コミュニティーセンター、市民体育館、図書館、みどり保育園、さくら保育園、などです。これらは早急な改修などが求められているところです。さらには、82年以降に建てられた主要な建物においても、修繕計画が求められます。福祉・児童センター築25年、たんぽぽ保育園21年、くるみ保育園19年、保健センター18年、歴史民俗博物館18年、塚越児童館17年、総合社会福祉センター13年、下蕨公民館12年、交流プラザさくら11年、などが築後10年以上経過しています。

主要な公共施設のすべてに対し、理想的な修繕対策をとっていくのはきわめて困難という状況です。市長が言われる「優先順位を踏まえた厳しい選択」とは具体的にどういうことかという観点から、以下、6点お尋ねします。

(1) 一般会計歳出の中で、公共施設の改修等に支出した金額は、15年度以降どの程度であるか。
(2) これまでに公共施設の調査はどのように行なわれたか。老朽化の状況、再建築するとした場合の価格はどれほどか、維持費などはどう見積もっているか、見積もり金額はどうか。
(3) 施設ごとの長期修繕計画は立てているのかどうか。
(4) 新年度の市の各担当課から、施設についての予算要望がされたと思いますが、予算に反映されなかったのはどの程度あるのか。
(5) 各施設のトイレは順次様式化されていますが、現在の洋式化率はどうか。優先度の考え方はどうか。
(6) 唯一の体育専用施設である、市民体育館は重要な役割を果たしていますが、そのトレーニングルームの利用率は低いのではないかという意見をよく聞きます。トレーニングルームはどれほど使われているか。利用率をあげる対策はどうか。

第2点目として、生活道路の整備について3点たずねます。一つ目は、蕨市狭隘道路整備についてです。今年に入ってあるかたから、自宅前の道路についてのご意見をいただきました。10年以上前にセットバックしているにもかかわらず、いまだに、用地の整備がされていないとの事です。担当課に確認したところ、市は、今から12年前に要綱を定め、セットバック用地の整備を進めているとのことですが、それ以前にセットバックした場所については、市民から申し出がないと、場所の把握もできないこともあり、実施できていないとのことでした。そこで、質問は、いまだに整備が済んでいない用地はどれほどあるのか、来年度の実施予定はどれほどなのか、です。

二つ目は、私(わたくし)道の舗装などの整備についてです。市内では私道において舗装されていないところがまだ残り、車椅子で通るのに難儀するという声が聞かれます。蕨市では「私道舗装取扱要綱」を定め、そのような道を舗装しています。私道所有者の了解があれば市の負担で舗装すること、その予算は年間約300万円です。そこで質問は、例年どの程度の要望が出され、どの程度それに答えられているのか。来年度の実施予定はどうか、です。

三つ目は、北町と川口市の境、通称北町新通りの蕨側歩道の破損状況についてです。大きな駐車場に接する歩道において、表面の破損がひどく、近隣住民からは、足が引っかかって危ないとの声が出ています。担当課に、以前から改善要望を出していますが、いまだに改善されません。そこで質問は、この破損状況について市はどう認識しているか、その改善対策をどう考えているかです。

大きな3点目は、公園での喫煙です。路上喫煙防止条例が昨年3月議会で全会一致で可決成立し、昨年10月1日から実施されています。この条例は、「喫煙マナー及び環境美化意識の向上を図ること、その結果、安全で快適な歩行空間及び清潔な地域環境を確保する」ことを目的としています。わたしども日本共産党市議団は、1年前の条例審議の際に、この目的に全面的に賛成する立場から質疑を行ないました。同時に、たばこの愛好家(愛煙家)の権利や趣向についても配慮をして、たとえば、広い公園などでは、一定の場所に、灰皿を置いても良いのではないかなどの、意見も出してきました。条例では、第6条で、何人も、路上喫煙をしないよう努めなければならない、と定めています。ただし、道路や公園の管理者が、喫煙できると指定した場所は、この限りでない。とも定めています。つまり、条例の趣旨に反しない限りで、喫煙場所を定められる仕組みになっています。10月1日の条例実施後、公園から灰皿を撤去しているとの市民からの声が届き、担当課に問い合わせたところ、すべての公園から既存の灰皿を撤去したと聞きました。

そこで質問は、1つ目、全ての公園から灰皿を撤去した経緯はどうであったか。2つ目、広い公園などは喫煙場所を設けても良いのではないかと考えるがどうか。3つ目、愛煙家は公園において携帯灰皿を持つよう呼びかける啓発をしてほしいと思うがどうか、です。

最後は、市役所通りの安全・安心対策です。私は、5年前、2003年7月13日、私どもの後援会の皆さんと、街角ウォッチングをした際、蕨陸橋のガード(側壁)が低く、自転車利用者にとって危険なことが指摘され、その年以降、毎年の予算要望で改善を求めるとともに、2004年12月議会、2007年6月議会などでとりあげてきました。そして、昨年11月には、日本共産党埼玉県委員会として埼玉県に要望を出したところですが、今年に入り、新年度に「自転車通行の安全確保のため、高欄の整備工事を行なう」との回答がありました。また、市役所通りの歩行者用信号の待ち時間の短縮についてもたびたび要望し、2006年12月に、北町1丁目8番地先の信号機において実施され、近隣住民から便利になったと好評を得ているところです。

そこで質問は、1つめ、蕨陸橋の側壁(高欄)の改善について、これまで市は県にどういう要望を出していたか、県からの回答はどうであったか。2つ目、議会の答弁で「県などに要望を伝える」と答弁されたものについては、その結果を議員に知らせてほしいと考えるがどうか。3つ目、市役所通りのわらび神社前の歩行者用信号についても、同様に要望を出してほしいと思うがどうか。です。

以上、1回目の発言を終わります。