梶原秀明前市議の過去ページ
小説・蟹工船(かにこうせん)と現代の労働
小説「蟹工船」が読まれています。戦前の共産党員、小林多喜二の作品です。新潮文庫の「蟹工船」(写真)は今年すでに50万部売り上げ、まんが版「蟹工船」も2つの出版社から出され売れゆき好調。私も最近のブームで小説を再読しました。
10代後半から40代の、若い世代に支持される2つ理由があると言われます。一つは、健康管理などまるでかえりみられず、仕事に従事する時点ですでに交通費などの借金を背負わされる、80年前の奴隷労働が、実は現代の派遣労働にそっくりなこと。もう一つは、現状告発だけでなく、団結してたたかう希望を表現していることです。蟹工船での最初のストライキは首謀者が逮捕され失敗しますが、次には、誰が首謀者かわからないように工夫する、たたかいに学び成長する労働者の姿が感動的です。
職が無い、賃金が低いのは個人の努力が足りないからではない。政府が作った悪いルールによるもの。ならばルールを変えよう。総選挙を、安心して働くルールづくりの第一歩にしましょう。(梶原秀明)