梶原秀明前市議の過去ページ
第15回さいたま住民大学(12月13日)
あいさつする頼高市長
あなたは自分の身を守れますか
- 自己責任論をのりこえる安心のネットワークを!
さいたま住民大学開かれる
さいたま住民大学(埼玉自治体問題研究所・自治労連県本部などで実行委員会を構成)が12月13日、浦和コミュニティセンターで開かれ、梶原市議が参加しました。
大学長の大坂健氏が開会あいさつ。「あなたは自分の身が守れますか」と題し、労働組合の授業を大学でやっているが、学生の関心が高いと紹介、「社会を分断し人々を孤立させる自己責任の呪縛を解き、愛と思いやりのネットワークをつくろう」と呼びかけました。来賓として頼高英雄蕨市長が紹介され、市長は就任1年半の苦楽を報告。どの自治体も財政難だが市民のくらしも厳しい。難局を乗り越える決意を述べました(写真)。
全体会では、「地方自治こそ民主主義のかなめ」と題し、自治研主任研究員の池上洋通氏が基調講演。地方自治の基本について言及。政府の役割は、すべての国民が尊重される社会(憲法13条・個人の尊重)の実現にあり、そのための政策決定や事務は、個人に一番ちかい市町村に配分されなければならないこと、その際、自治体間の格差を是正(憲法14条・法のもとでの平等)する財源保障が当然必要であると強調しました。国民は常に国家権力(国会など)を監視し、住民は常に行政と議会を監視するため、とても忙しいとユーモラスに語りながら、国民保護法の反憲法性にまで論を進めました。
午後は4つの分科会「医療・福祉・健康」「貧困と子どもの未来」「くらしと環境」「どうなる地方自治」と、税に関する講座が行なわれました。生健会県連副会長の浅名勝次氏が「医療・福祉・健康」分科会で、「憲法25条と生活保護法」について報告。梶原秀明市議は「貧困と子どもの未来」分科会に参加し、保育園の非正規職員の状況や就学援助金の実態など報告し、他市の職員や保育士・学童指導員などと交流しました。
「貧困と子どもの未来」分科会の模様を紹介します。ある保育士さんは、クラスの3分の1が片親で、母親の不安を受け止める役割も保育士に求められる。高校の先生からは、「4,5年前は、まじめに勉強しないとハケンになっちゃうぞと叱咤していたが、今は派遣が当たり前で、そんなことは言えなくなった」。「分数がわかるかどうかは、近くに疑問をすぐに教えてくれる大人(親)がいるかどうかにかかっている。親の貧困が子に引き継がれる」。高校で首都圏青年ユニオンの役員をまねいて授業した例を引き「ひとがいい生徒は社会の食い物にされてしまう。いまはそれを防ぐ教育が高校で必要だ」。教育学部の大学講師からは、(免許のない)臨時教師として特別支援学級を担任させられている実態。埼教組の役員から、すぐに成果を出さなければならない校長や管理職教員に焦りが見られるとの報告。上尾の学童保育のNPOに関わっている職員からは、あるところは児童50人のうち30人が片親で行事ができない実態。さらには、児童相談所の職員も参加され、養護施設の実態報告などありました。他に、富士見市、所沢市、草加市、川口市、和光市、新座市、北本市などから、市職員や障害者施設職員、教師OBなどの発言がありました。
最後にまとめの発言をした杉田明宏さん(大東文化大学講師)は、格差問題は厄介で、「格差はおれには関係ない」と思っている層と、困っている層がどうつながるかを考えないといけない。第一に、厳しい現実をよく知ると同時に、その構造・原因を知ること。第二に、身の回りに社会を良くしようと努力する大人がいることを知らせ、そこにこそ希望があることを、子ども・若者とともに考えることが大切だと述べました。