【6月議会】就学援助金の支給時期を早めるよう検討すると教育委員会答弁 - かじわら秀明の一般質問
6月16日のかじわら秀明市議の一般質問の主な質疑応答が次のとおりです。1回目の発言も掲載しています。
就学援助金の運用
【梶原】最近の制度変更。修学旅行等への就学援助金の支払いを早められないか。
【答】今年度より要保護児童・生徒への援助金に、生徒会費・PTA会費・クラブ活動費が加わった。援助を要する家庭へ、一日でも早い支給が望まれる。支払いまで通常2ヶ月かかり、5ヶ月の例もある。各学校で、迅速に事務処理するよう指導し短縮していきたい。
北町5丁目見沼用水沿いの道路管理
【梶原】当地を公道にするには問題が多いと思うが。
【答】警察との協議や用地買収など課題が多く困難。
【梶原】沿道には数十台分の駐車場があり車両が通行している。不必要な車止めを撤去し、居住者は通行できるようにできないか。
【答】本来車両通行できない所を様々の事情で通行している実態があるのはわかる。(車止めの撤去は)関係機関・住民と協議したい。
ゴミ出しルール
【梶原】川口市に隣接する北町では、ゴミ出しで外国人との摩擦が多い。
【答】これまでも啓発をしてきたが、さらなる対策として「ゴミの分け方」の外国語版をつくりたい。
【梶原】外国人の比率は?
【答】6月1日現在、外国人登録は3638人。うち中国人55・2%、韓国人14・8%、フィリピン人10・5%。
敬老祝い金・金婚式
【梶原】9月2日以降生まれの人は支給が翌年になる。もっと早くできないか。
【答】祝い金は8月から準備を始め、申請忘れがないよう、翌年3月末まで勧奨している。支給時期を増やすのは業務上困難である。
【梶原】金婚式に申し込み、やむなく欠席した人へ、記念品など贈れないか。
【答】金婚夫婦の記念写真は大変喜ばれている。欠席者への対応は研究したい。
1回目のかじわら市議の発言
通告にもとづき、就学援助金と教育扶助について、北町5丁目見沼代用水沿線の道路管理について、ゴミだしルールの周知徹底について、高齢者福祉の敬老祝い金と金婚式、以上の4点、質問します。
まず、就学援助金と教育扶助の運用についてです。憲法第26条は、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」としています。そしてその第2項で、「義務教育は無償」としています。就学援助制度は、憲法26条と、その関連法に基づき、小中学生のいる家庭に学用品費や入学準備金、給食費や医療費などを補助する制度です。この制度は、2004年度までは、自治体が実施する費用の半分を、国が補助するしくみになっていましたが、2005年度からは、小泉内閣のいわゆる、三位一体改革により、国の補助金が大幅に削減されました。国の補助を、生活保護を受けている世帯と要保護世帯だけに限り、それ以外の世帯、準要保護世帯については、地方交付税措置に切り替わっています。準要保護世帯については対象額や申請手続き、周知方法や支給方法などが、自治体によって異なっています。
一昨年の12月議会で私は、就学援助金のこのこの間の実績について取り上げ、蕨市が、制度の周知方法を、2007年度に変更したこと、この年を境に、就学援助金の申請数と決定数が、激減したことを指摘しました。2005年度からの一般財源化によって、蕨市の教育予算の支出を厳しく見るような意図が働いて、蕨市では、制度の周知を弱めようとしたのではないかと、私は指摘しましたが、教育部長は、「全くそういうようなことはあり得ない」と答えました。また、教育長からは、「一部に所得申告を十分していないために就学援助が認定にならないという実態があるかもわかりません」(申請のための)「積極的な働きかけをしながら、(指摘のような課題)は克服していきたい」と答えました。
さて、参議院が民間調査会社に委託した、興味深いレポートが最近公表されました。「就学援助金の一般財源化 – 地域別データを用いた影響分析」というタイトルで、「経済プリズム」2010年4月号のものです。三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)が行なった調査であり、全国ずべての自治体の、就学援助受給者数と率の推移を、1998年度から2008年度までの11年間を分析しています。レポートは、就学援助金の2005年度の一般財源化によって、市区町村の就学援助給付を引き下げた可能性が高いと、結論付けています。私がこの間の一般質問で指摘してきたことを裏付けるものともなっています。
蕨市では、20年度12月の私の一般質問のあと、21年から、就学援助金の周知方法を改善したと報告がありました。実際ホームページや保護者あての説明文書で、就学援助金を受給できる世帯類型、所得額の基準を示すようになりました。たとえば、父35才、母30才、子9才と4才の4人家族の場合、年間所得は約302万円未満との例示があります。この例示もわかりにくいものでありますが、一歩改善です。わかりにくいというのは、所得額の表示だけであることです。所得302万円は、たとえば給与収入に換算すると、約445万円ですが、所得のことを給与収入と勘違いする人もあるでしょう。また、申請の資料として所得証明が必要であり、そのために税金申告をしていなければならないということも理解していない方も見受けられます。社会保険や雇用保険が整っている会社などに勤務している人は、源泉徴収票が税務署を経由して市にも届きますから、市が、当該市民の収入と所得を把握できますが、最近増えている非正規の働き方においては、そうでない場合もあり、当事者が税申告しなければなりません。以上のことを踏まえて、就学援助金の周知や申請受付をする必要があります。
本来受けるべき児童・生徒が、きちんと就学援助金を受けられるよう、一層の周知を徹底してほしいとの趣旨から、以下質問します。
(1)就学援助金と教育扶助について、ここ1,2年で一部制度に変更があったようですが、その内容はどのようか。
(2)経済的理由で林間学校・修学旅行に参加できない児童・生徒はいるかどうか。援助金の支給が旅行費等の支払いよりも数ヶ月遅れる場合があるが、もっと早めることはできないか。要保護児童・生徒世帯について、費用の支払いと同時期に、援助金の支給をするようにできないか。
(3)準要保護児童・生徒への就学援助金への周知方法を、先ほど述べたように昨年度、一部改善したが、その効果はどのようか。
2、二つ目の質問は、北町5丁目見沼代用水沿線の道路管理についてです。
代用水沿いの環境整備については、近隣住民からの苦情や要望が強いところです。ヘドロの堆積、桜の木の成長による採光不足や落ち葉、桜の根の成長による道路の隆起、などです。最近、市民からは、用水沿いの道路の管理についての問い合わせを受けたところである。担当課に聞いたところ、代用水の沿線は、道路として認定している部分と、認定していない部分とが存在します。道路認定していない通路に沿って、住宅、工場などの事業所、が立ち並び、駐車場もあり、居住者や事業者の車両が通行しています。場所によっては、車止めがあり、車両が通行できないようになっていますが、居住者の車両の通行のためか、中には、車止めが取り払われている部分もあります。
そこで、以下質問します。
(1)用水沿いの市有地の管理はどのように行っているか。
(2)用水沿いの住宅に対する建築確認はどのように行っているか。
(3)沿線を道路認定し、公道(市道など)に指定した場合の問題点は何か。
3、三つ目の質問は、ゴミだしルールの周知徹底についてです。特に、日本語や日本文化の理解が難しい外国人に対して、ゴミだしルールを周知するためにどのような努力を行っていくべきかについて、お聞きします。
読売新聞5月4日付は、蕨市の北町に隣接する川口市内の芝園団地について報道しています。居住者の4割が外国人になっていること、外国人のうち団地自治会に加入しているのがわずか1世帯であることなどを、示し、次のように述べています。「階段で汚物が見つかる、ゴミの分別や収集日を守らない、ベランダから生ゴミを投げ捨てる、深夜に集まって大騒ぎする。自治会副会長の男性(65)は打ち明ける。「マナーを守るよう説得したくても、彼らが何を考えているのかさえ分からない」」。
芝園団地に隣接する北町地区には、外国人の居住割合の高いアパートやマンションがいくつかあり、言葉が通じないことによる、ごみ出しルールについての摩擦が、日本人と外国人との間でたびたび生じています。町会の集まりなどでも、ごみ分別や収集のルールを住民にどのように守ってもらうのかが、毎度話題となります。蕨市生活環境係では、外国語による啓発や集合住宅の管理人への協力要請をしばしば行なっていると理解しているが、ここ2年ほどの状況はどうでしょうか。
4、最後の質問は、高齢者福祉にかんして、敬老祝い金と金婚式についてです。
敬老祝い金、金婚式ともに、高齢者に大変喜ばれている事業です。以前から、敬老祝い金については、支給時期を増やすことはできないかとの意見を市民から受けています。たとえば、9月2日以降生まれの人、9月、10月、11月生まれの人は、祝い金の支給が翌年9月となり、1年近く待たされるとの意見です。現実に、翌年9月を待たずに、死去される例もあり、この意見は切実なものがあります。支給時期をせめて、年2回、(9月と12月とか、9月と3月)などにできないでしょうか。そのための事務の手間はどの程度増えるのでしょうか。
また、金婚式についてですが、昨年度の金婚式は、市制施行50周年で、ちょうど50組の方が参加し、結婚50周年、50づくめでとても賑やかだったとのことです。市民からは、元気の良い夫婦はお祝いしてもらえるのに、簡単には外出できないご夫婦などからは、さびしい、などとの意見もあります。せめて、申し込みがあった夫婦に対しては、千円程度の記念品を支給するなどのことはできないでしょうか。
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