梶原秀明前市議の過去ページ
住民本位の行政を効率的な機構で
1年ほど前から発行がつづく「宮本顕治著作集」を時々読んでいる。いま、7巻まで発売されている(全10巻の予定)。この7巻に「住民本位の行政を効率的な機構で - 地方自治体の人件費問題その他をめぐる日本共産党の見解」が載っている。1975年3月のものだが、その後の、日本共産党のこの分野の考え方の基本となっている。
自治体で働く公務員の役割として、労働者としての生活と権利の向上に民間労働者とともに力を合わせることと、自治体に住む住民に奉仕する役割とを、統一的に追求すべしと説いている。当時、いわゆる革新自治体の中で、住民奉仕の政策を進める際に、公務員の労働強化につながるような場合があり、さまざまな議論をがあったのではないかと推察する。革新自治体の中にも「住民全体への奉仕のための必要で妥当な改善などをも、『合理化反対』と拒否する主張をしている」潮流があったようで、それへの批判と、党の見解を述べている。
38年前の議論だが、その有効性は消えていない。それどころか、参議院選挙で日本共産党が躍進し、地方政治でも住民との共同がますます求められる中で、安倍内閣の暴走が強まる中で、地方公務員はいかにあるべきか、日本共産党議員団が地方公務員とどう共同するかを考えるのに、大切な視点を提供してくれている。
「住民全体への奉仕のための必要で妥当な改善」とは具体的に何か。そのときどきの政府の政策、自治体の財政状況、住民の納得と理解の度合い、などを考慮して、考えなければならないだろう。たとえばいま、地方公務員の給与特例減額問題がある。これにどう対応するか、この論文にはその基本も含まれていると思う。