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埼玉県地方議員会議で日本の前途を考える(8月23日)

23日と24日に行われた日本共産党全県地方議員会議で、日本共産党綱領の講義と議論があったので、最近の情勢と絡めながら報告します。

7月の参議院選挙は、共産党は何をめざしているのか、どういう政党なのかと、国民の日本共産党への関心がかつてなく高まりました。自民党などは、「自衛隊に反対しながら災害時にはしっかり働けというのは無責任だ」などと、日本共産党の方針をゆがめる宣伝を重ねました。一方、党ホームページの「綱領」コーナーのアクセスがかつてなく高まりました。こうした時、改めて日本共産党綱領を語る活動が求められます。

参院選で日本共産党が掲げた諸政策のおおもとには、2004年に決定した日本共産党綱領(いわゆる新綱領)があります。その4章は「民主主義革命と民主連合政府」で、日本社会が求めているのは社会主義革命ではなく、民主主義的な改革の実現を内容とする民主主義革命であること、改革の具体的な内容、その実現は統一戦線で実現されることなどを規定しています。

自衛隊について綱領は「海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」としています(段階的解消論)。党は、自衛隊は憲法違反の存在だと考えていますが、同時に、すぐなくすことは考えていません。国民の大半が「自衛隊がなくても大丈夫」と合意できるまではなくせません。将来の展望として、国民合意で、憲法9条の完全実施(自衛隊の解消)に踏み出そうというのが方針です。それまでの間万一、急迫不正の主権侵害や大災害があった場合には自衛隊に働いてもらう ― この方針を党の大会で決めています。憲法9条と自衛隊の矛盾は自民党政治がつくりだしたものですが、日本共産党は、「憲法を守る」「国民の命を守る」、この両方を真剣に追求しています。

また改革の実現方法について綱領は、「民主主義的な変革は、労働者、勤労市民、農漁民、中小企業家、知識人、女性、青年、学生など、独立、民主主義、平和、生活向上を求めるすべての人びとを結集した統一戦線によって、実現される」「統一戦線の発展の過程では、民主的改革の内容の主要点のすべてではないが、いくつかの目標では一致し、その一致点にもとづく統一戦線の条件が生まれるという場合も起こりうる」と規定しています。これにより、安倍政権が戦争法を強行可決させた昨年9月19日、党は中央委員会総会を開き「戦争法廃止の国民連合政府」を提唱しました。この政府は、安保法制=戦争法を廃止し、一昨年の集団的自衛権の閣議決定を撤回することなどを目標にするもので、日本共産党は、安保条約や自衛隊についての独自の政策は、国民連合政府や野党共闘に持ち込まないことを当初から貫いています。

統一戦線の考え方は、第二次世界大戦時のヨーロッパのレジスタンスにも表れました。ドイツ・ヒットラーに占領・蹂躙されたヨーロッパ各地で成立した反ヒットラーの大連合=レジスタンスは、「神を信じるものも信じないものも」をスローガンにし、世界観が違っても一致して巨悪に立ち向かいました。ここにも世界で試された統一戦線の精神があります。

日本共産党綱領全文は党ホームページなどで読むことができます。