議会報告
全国都市問題会議レポート(上)「健康づくりとまちづくり~市民の一生 に寄り添う都市政策~」をテーマに(市議会議員 鈴木さとし)
10月17~18日の2日間、姫路市文化コンベンションセンターを会場に開催された全国都市問題会議に参加してきました。今回のテーマは、「健康づくりとまちづくり~市民の一生に寄り添う都市政策~」。行政などによる住民の健康づくりへの支援が社会的課題となってきている状況を踏まえ、「これまでの健康づくり政策の検討」「自治体が果たすべき役割」「今後どのように展開されるべきか」などの視点から先進事例や研究成果の報告、パネルディスカッションなどが行われました。
1日目、主催者あいさつなどに続いて、福岡伸一・青山学院大学教授が「生命を捉えなおす―動的平行の視点から―」をテーマに基調講演を行いました。福岡氏は「生命」のとらえ方について、身体などを部品の組み合わせとみる機械論的生命観に対し、食べた分子が体を構成する分子と絶え間なく交換され続けているものとして捉える見方、動的平衡論を紹介。自身の経験や研究成果を踏まえ、自らを積極的に壊し続け、作り直すことでバランスを保つことが生命の特性であること、そして絶えず変化しつつ、柔軟で適応的相補的であり回復力があるもの、との考えを展開しました。
続いて主報告では清元秀泰・姫路市長が「市民の『ライフ』(命・くらし・一生)を支える姫路の健康づくりとまちづくり」をテーマに発言。人生100年時代の到来を控えた健康づくりの重要性について、姫路の状況を例に説明し「健康がまちの活力を生み出す」と強調しました。さらに姫路市の施策について、①市民による主体的な介護予防(「通いの場」への参加促進など)、②ウォーカブルなまちづくり(歩行者天国や姫路駅周辺での憩いの場の設置など)、③ICTを活用した健康づくり(妊産婦の健康の見える化など)、④子どもたちの健やかな成長支援(思春期保険・母子保健の包括的支援拠点としての「こどもの未来健康支援センター「みらいえ」、子育て応援アプリ「ひめっこ手帳」)の視点から紹介。「市民の健康状態を把握し、改善・自立を促すだけでなく、市民が健康増進に積極的に参加すること、日々の生活の中で自然と健康になれるような社会環境の構築が重要」と述べ報告を締めくくりました。