議会報告
全国都市問題会議報告(中)「健康」まちづくり、IT活用の実践例を学ぶ(市議会議員 鈴木さとし)
全国都市問題会議、初日の午後は3人の発言者が一般報告を行いました。
谷口守・筑波大学教授は「生き物から学ぶ健康なまちづくり」をテーマに「市民の健康と都市の健康は様々な面で密接に関係している」と発言。「一戸建てが多い、駅に近い、公共交通が充実しているなどの環境のまち=コンパクトシティが健康なまち」と解説しました。 さらにバイオミメティクスの手法から都市を生物に模倣し「都市も成長・新陳代謝し、怪我や生活習慣病があり、老化や再生することも、進化や絶滅もありうる」として、都市問題を生活習慣病(例えば、必要なサイズよりも郊外に大きくふくれあがる肥満型都市など)に例えて指摘。人口減少時代のまちづくりについて「競争して儲ける」考え方から離れ、周囲と協調し都市構造の改善を図ることが重要と強調しました。
続いて千葉県流山市の井崎義治市長が、「都市そのものを健康にすることでそこに住む人々の健康を推進する」取り組みについて発言。大規模開発で失った多くの緑を「グリーンチェーン認定制度」などにより取り戻し、「都心から一番近くの緑のまち」として都市の魅力を増進したこと、共働き子育て世代のニーズに合ったまちづくりを進めたこと、そのことが市民にとっても、市外からの来訪者にとってもストレスなくリフレッシュできる健康都市につながっていることなどを紹介しました。
一般報告の最後は、畑豊・兵庫県立大学副学長が、姫路市の健診結果データのファジィ値による解析の取り組みなどを紹介。数値化することで地域課題の解明とそれぞれの改善の取り組みに有効な手立てとなったこと、AIを用いた嚥下機能の解析では「合唱」に嚥下機能向上、誤嚥予防の効果があるとの発見につながったことを紹介するなど、IT・AIの健康分野への適用例を報告しました。 (続)