議会報告
議会運営委員会視察報告〜議会改革の先進事例・取手市議会の取り組みを学ぶ(市議会議員 鈴木さとし)
4月22日、議会運営委員会の行政視察が行われ、茨城県取手市を訪れました。今回の視察テーマは「オンライン議会及び議会改革の取り組みについて」。取手市議会・同事務局は、早稲田大学マニフェスト研究所の議会改革度調査において2020年・2021年と2年連続でランキング1位になるなど、議会改革の先進事例として知られています。
この日は、蕨市議会から議会運営委員会委員・正副議長の8名と議会事務局職員が出席。取手市議会からは、事務局の方に基本的な事項について説明をしていただいたほか、2人の市議会議員からも情報提供をしていただきました。
取手市議会では、2020年度にペーパーレス化や採決システムの更新などを目的にタブレットの活用を開始しました。また、その時期に、新型コロナの感染拡大による緊急事態宣言が発令されたことなどを受け、議会の安定的な開催を目的としたZOOM活用が可能と判断。オンラインによる委員会や代表者会議、災害対策などの各種会議、議案説明会などが行われてきました。その際、つながっていなかったということがないような対策や、途中で通信が途切れてしまった場合の対応など、様々な場面を想定したルールが取り決められていたことなど、は非常に参考になりました。複数の視察地に派遣された議員を結んでのハイブリット型現地視察、市民との意見交換会、中学生議会などの取り組みでも、オンラインシステムを活用しています。
そのほかの議会改革についても、議会の見える化、ICTの活用、市民参加などの角度から進められています。特に、独自に議事録を作成するための音声認識システムが活用され、議会と同時に編集・修正などが行われることから、議会当日に会議録速報版が議員に提供されていることは印象的でした。蕨市議会でも導入が可能か、検討の必要性を感じました。
その他にも、討論において他議員の討論への「反論」という形での討論が行われていることも、質問を通して紹介されました。
蕨市議会では、議会基本条例の制定以降、議会改革についての議論は、活発に行われているとは言えない状況が続いています。次々と新たな改革や取り組みについて検討を続けている取手市議会の取り組みは、蕨市議会に必要な改革とは何かを考えるうえで、大きな刺激となりました。