議会報告
蕨戸田衛生センター組合議会報告(市議会議員 鈴木さとし・武下涼)
8月20日、蕨戸田衛生センター議会が開催されました。
7月12日の火災以降、議員に対する説明や現場説明会などは行われてきましたが、議会の開催は初めて。 賴髙管理者(蕨市長)は火災について「多大なるご不便、ご迷惑、ご心配をおかけしましたことに心からお詫び申し上げます」と発言し、経緯や対応、見通し等を説明しました。
今議会に提案された議案は以下の3議案です。
◆専決処分(補正予算第2号)の承認:協力自治体などの施設にごみを受け入れてもらうための8月末までの費用などで1億4368万2千円の増額補正。7月17日の収集再開に向け急を要したため専決処分。
◆手数料条例の一部改正。事業活動に伴って発生した一般廃棄物の処分手数料を、物価や人件費の高騰などを受けて改定。また、10㎏まで手数料を10㎏あたりと同じ料金とし、浄化槽汚泥も同様の措置。
◆補正予算第3号:「火災に関する調査検証・再発防止対策会議」や火害調査の費用、ごみ焼却炉復旧工事費、ごみ受け入れ協力自治体等への委託費用などで合計35億4125万5千円の増額。内、ごみ焼却炉復旧工事21億1200万円は災害復旧事業債を起債。
これらは、委員会審議を経て、全会一致で可決されました。また、追加議案で以下の3議案が提案され全会一致で可決されました。
◆ごみ焼却炉復旧工事の契約についての議決
◆(委員会提出議案)埼玉県への財政支援等を求める内容の意見書
◆(委員会提出議案)蕨戸田衛生センター組合への十分な対応を求める意見書
今議会では、3人が火災の経緯や対応方針に関して一般質問を行いました(後述)。
賴髙英雄管理者(蕨市長)の管理者報告の概要
管理者報告のうち、火災の経緯や対応に関わる部分の概要を紹介します。
◇7月14日の消防の実況見分では出火原因は不明。人的被害はなし
◇7月14日からの3日間ごみ等の受け入れを停止し、その後、17日から収集を再開。施設は稼働できない状況のため、ゴミの受け入れで4つの市と4つの一部事務組合の他、民間事業者にも協力をいただく
◇8月18日にはリサイクルプラザ、し尿処理場、管理棟が稼働し、資源ごみなどの処理を順次再開
◇ごみ焼却施設は2026年3月の再稼働予定。影響が大きい粗大ごみ処理施設は復旧方針を検討するが相当の期間を要する見込み
◇今後は「蕨戸田衛生センター火災に関する調査検証・再発防止対策会議」を設置し検討等を行う
発生した火災の影響と対応について一般質問(市議会議員 鈴木さとし)
鈴木 現在、懸命の対応や復旧作業など努力が続いているが、火災の発生・発見に関わる経緯、初期対応などはどのようか。
事務局長 発生は地下1階破砕物輸送コンベヤ。7月12日正午過ぎ、火災報知器の発報を受け職員が消火のため破砕機室に入ろうとしたが煙が充満し入ることができず消防へ通報。正副管理者及びセンター職員、両市の所管関係職員が参集し、情報収集、情報発信、知事への情報共有、県所管課への連絡調整等を行う。
鈴木 原因について見解は
事務局長 充電式電池が原因となった可能性は高い。初期対応等に問題は無かったと考える。
鈴木 粗大ごみ処理施設の事故の防止対策はどうか。
事務局長 強化してきた。分別収集段階で分別区分の明確化・周知啓発を進め、収集事業者では別に回収するよう徹底。搬入後は、破砕機に投入する前に危険物の排除を強化し、ごみピットの発火発煙件数がR5年度64件、R6年度27件と大幅に減少していた。
鈴木 (作業手順や監視カメラ等の状況を確認して)これまでの内容では対応できない。作業、施設両面での検討が必要と考える。復旧に向けた基本方針、スケジュールはどうか。
事務局長 安定的なごみ処理を前提に1日も早い施設の復旧を目指す。リサイクルプラザ、し尿処理施設は再稼働し順次処理を再開。ごみ焼却施設は令和8年3月の再稼働を目標に復旧工事を進める。粗大ごみ処理施設は施設の火害調査を行い、復旧方針を検討。復旧は次年度以降と考える。
鈴木 「火災に関する調査検証・再発防止対策会議」の構成、設置期間などは。
事務局長 発生した火災事故に関する調査検証及び再発防止対策の検討。粗大ごみ処理施設の復旧方針決定に活かす。構成は、学識経験者、両市の所管課長、組合事務局長等で全国都市清掃会議の技術部長が参加。1月を目途に報告予定。
鈴木 調査検証に当たっては「会議」に一定の独立性を持たせることが必要。また、同様の趣旨で、市民や議会に丁寧な広報が行われるよう要望する。