平和
「蕨町と戦争」平和記念展を見て(市議会議員 鈴木さとし)
蕨市歴史民俗資料館で開催されている戦後80年・平和都市宣言40周年、第36回平和記念展「蕨町と戦争」を見てきました。
1889年に合併で誕生してから1959年の市制施行までの70年間、蕨町の歴史には、1894年日清戦争開戦から1945年太平洋戦争終戦まで、戦争の痕跡が深く刻まれています。市内に残された資料から、その歴史を振り返るのが今回の企画でした。
資料館1階では戦前の蕨町での営みを展示。2階へ行くと、展示室前に「戦時下の小学校」として第一国民学校(現北小)と第二国民学校(現東小)で教練等に臨む子どもたちの写真が展示されています。第一国民学校の一部は空襲で焼失し「二部授業や青空教室が多くなっていきました」。
展示室でまず目にするのは日清戦争・日露戦争にかかわる資料。日露戦争の出征者の家などを示した当時の地図を見て、「勝ち戦」の戦争でも一般国民に多大な影響を及ぼしていたことに思いを巡らせました。
日中戦争、太平洋戦争では、挙国一致、国民総動員体制といった色合いが強くなり、蕨空襲による被害や住民の思いなどを示す資料が並びます。「銃後」を支える国防婦人会等の写真を見ながら、戦争に協力せざるを得ない人々の状況や思いなど想像してみました。
展示は蕨町の戦後も。次代を担う青年を励まそうと開催された成年祭・成年式、南町で行われた日本国憲法施行を記念する運動会の写真等が展示されていました。長く苦しい時代を経て、戦後、未来を生きる青年と新しい社会の土台となる憲法に希望をもった人々の思いを感じました。
平和特別展は9月15日まで開催されています。