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くらし・生活

生活保護をあたりまえの権利に 生活保護問題議員研修会・参加報告(市議会議員 鈴木さとし)

8月23日に、ポートメッセなごや・コンベンションセンターで開催された第16回生活保護問題議員研修会「地域から変える 生活保護をあたりまえの権利に」に参加してきました。
 生活保護をめぐっては、全国で1000人を超える原告が国の生活保護基準引き下げの取り消しを求め提起した一連の裁判で、違法性を認めて保護費減額処分の取消しを命じた歴史的な最高裁判決が注目されています。一方で、これに対する国の対応は誠実とは言えません。さらに、制度や運用面での問題点や社会的偏見が、生活保護の利用を国民から遠ざけている状況も引き続き残されています。こうした状況を踏まえ、この日は生活保護を「あたりまえの権利」にしていく視点で7人が報告しました。
 最初に記念講演として報告したのはケースワーカーとしての行政経験もある立命館大学の桜井啓太准教授。桜井氏は、自身の経験を紹介しながら、その時期に芸能人の親族の生活保護受給報道に端を発する生活保護バッシングが広がり、桐生市では生活保護の違法な運用が始まった問題を指摘。他の自治体でも同種の懸念があると述べ、保護率増減、却下率、法定期限内処理、自動車保有の容認、通院移送費、扶養照会率など、多数の福祉事務所を比較することで問題点を明らかにし改善を図る取り組みについて語りました。
 その後、基調報告で、物価高騰下での生活保護世帯の苦難、最高裁判決の意義と現状、桐生市問題での正常化のための取り組み、外国人と生活保護をめぐるファクトチェックなどについて解説した吉永純・花園大学教授、議会活動に期待する取り組みについて報告した田川英信・生活保護問題対策全国会議事務局長、自動車保有をめぐる問題を報告した太田伸二弁護士の3人もケースワーカー経験者。それぞれの経験や実感に基づく報告は非常に深い内容で参考となりました。
 また、「ナショナルミニマムとしての生活保護基準の歴史とあるべき姿」と題して行われた岩永理恵・日本女子大学教授の報告では、生活保護基準が低く設定されてきた経緯と問題点について学び、「いのちのとりで裁判」事務局長の小久保哲郎弁護士の報告では、それらの問題を克服するうえで、今回の裁判を通してどのような主張を戦わせてきたかを学びました。最後の片山薫小金井市議の議会での取り組みについての報告は、地方議員としての役割の重要性を再認識させられるものでした。
 紙面の都合で紹介できないことは多数ありますが、今後の議会活動に生かしていきたいと思います。

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