大型開発計画温存 合併協議会第5小委員会の審議

 
川口市・蕨市・鳩ヶ谷市3市合併協議会は、現在6つの小委員会を開催し、合併後の事務事業についてのすり合わせを行っています。
 第5小委員会では建築・土木関係の事業が審議項目とされています。10月20日に開かれた第1回会議では、現在各市で実施中の事業だけでなく、市民合意のない再開発事業や、着工予定が未定であったり遠い先の土地区画整理事業についても、そのまま新市へ引き継ぐ方向が示されました。
 たとでば、蕨駅西口再開発(蕨駅西口地区第一種市街地再開発事業)は「新市においても積極的に推進する」(表1) 、中央第一区画整理(蕨都市計画事業中央第一土地区画整理事業)は「現行のまま新市へ引き継ぐ」という委員会としての結論(表2) が、質疑がほとんど無いまま決定されました。また、「区画整理予定事業」として、着工予定年月を平成30年4月とする「蕨都市計画事業中央第二土地区画整理事業」、同じく平成40年4月とする「蕨都市計画事業中央第三土地区画整理事業」も、現行のまま新市へ引き継ぐとされました(表4)。
 つまり、いったん中央第一区画整理に着工したら、その後に第二、第三という区画整理に広がっていくということが合併後の合意事項になるということです。
 再開発事業は他にも、事業実施中のものが川口で11地区、蕨で1地区あります。また、実施中の区画整理が川口では西地区、蕨では錦町と中央第一の2地区。これに加えて川口には着工予定年月が「未定」という区画整理事業が3地区あります(表3)。これら全てが現行のまま新市に引き継がれたら、その事業にかかる費用はいくらになるのか。それすら具体的に示されずに新市に引き継がれていく。
 3市合併は「開発ありき」の行政を推進するものだという重大な問題点が、はっきりと見えてきました。

表1
 
事務事業の名称
区画整理予定事業
3市の事務調整
  項目 内容
調整方針案 市街地再開発事業 (予定2地区)

市街地再開発事業(予定2地区)については、早期実現に向けて新市において推進する

具体的な調整内容 市街地再開発事業予定地区
(蕨駅西口地区)
都市計画決定済みであり、また事業推進方針も明瞭であることから新市においても積極的に推進する
市街地再開発事業予定地区
(中央3丁目18地区)
中心市街地活性化に不可欠な事業であることから、中央第一土地区画整理事業との整合を計りつつ、新市においても積極的に推進する

表2
 
事務事業の名称
区画整理予定事業
3市の事務調整
  項目 内容
調整方針案 区画整理予定事業

区画整理予定事業については、現行のまま新市へ引き継ぐ


表3 川口市・土地区画整理事業(平成15年1月1日現在)
 
事業名
(仮称)芝第2地区
芝第5地区
(仮称)芝第3地区
芝第4地区
(仮称)芝東第2地区
状況 計画中 着工予定年月 未定 未定 未定
対象区域面積(u) 429,000 504,000 223,000
用途地域 第一種住居
第二種住居
第一種住居
第二種住居
近隣商業
商業
第一種住居
第二種住居

表4 蕨市・土地区画整理事業(平成15年1月1日現在)
 
事業名
蕨都市計画事業中央第二土地区画整理事業
蕨都市計画事業中央第三土地区画整理事業
状況 計画中 着工予定年月 平成30年4月 平成40年4月
対象区域面積(u) 61,000 26,000
用途地域 商業地域
第一種住居
商業地域
近隣商業地域