合併が決まっていないのに新市の名称募集はおかしい ―第5回合併協議会報告―

 第5回法定合併協議会が3月30日に開かれ、6項目の協議が行われました。

【新市の名称公募要領について】
 1等(名付け親大賞)の人に20万円の商品券(その他110人に懸賞を出し、合計50万円相当の懸賞)を出して新市の名称を募集することが決まりましたが、こういうことは住民投票で合併に賛成する人が多数を占めたら行えばいいのであって、合併をするかしないかわからないのに多額の懸賞を付けて募集をするのは合併への誘導策の一つとも考えられるので、志村議員は反対しました。

【学童保育事業の調整方針について】

 学童保育(留守家庭児童保育事業)の扱いが3市で違う(川口市は教育委員会の学務課で蕨市と鳩ヶ谷市は児童福祉課)ことから、事務事業の調整が協議されてこなかったため、今回の協議会に調整方針案が提出されました。調整方針は、「合併年度は現行通りとし、合併後再編する」というものでしたが、蕨市と川口市では保育料に大きな違いがあり、安い蕨市にあわせることを調整方針に明記すべきだと志村議員は主張しましたが、原案でよしとする人が多数だったため、原案通り決まりました。

【職員退職手当の脱退について】

 鳩ヶ谷市は埼玉県市町村職員退職手当組合に加入していますが、川口市と蕨市は加入していないため、合併後は脱退することになっていますが、脱退時に6億円戻ると説明されていました。ところが、よく調べてみると6億5千万円を支払う必要があることがわかりました。差し引き12億5千万円であり、たいへん大きなミスですが、退職組合を脱退することに変わりはないので、鳩ヶ谷市の借金を新市が引き継ぐことになり、新市にとっては大きな負担です。

【2004年度の事業計画と予算委ついて】

 法定合併協議会の2004年度の事業計画と予算を協議しましたが、3市において住民投票を行う方針や合併に賛成の人も反対の人も一堂に会して意見を述べあう「市民フォーラム」等を開催する方針が入っていないことから、志村議員がそれらを方針に入れるべきだと主張しましたが、田中会長は「必要性が生じたら補正予算で対応することでご了解頂きたい」として原案のまま賛否をとり、賛成多数で可決しました。

<傍聴者の感想>

 問題ある議案に対して志村議員が大事な指摘をしているのに、田中会長はまともに協議をしようとせず、すぐに賛否をとってしまうが、これでいいのか疑問に感じます。