合流式下水道の改善計画素案が上下水道審議会に説明される 志村委員は改善計画の不十分さを指摘

 合流式下水道は建設費用が安くて済みますが、雨天時に汚水が河川に流れて公衆衛生上問題があるため、全国の都市で合流式下水道緊急改善事業が進められています。蕨市のいても平成17年度から10ヵ年で国の補助を受けて改善事業を行う必要が生じました。そのため、学識者、有識者の意見を聞く会議として上下水道審議会が開催されました。
 最初に下水道課から現状についての説明がありました。雨天時に塚越と南町のポンプ場から緑川に汚水と雨水を放流するが、初期の放流水のBOD(生物化学的酸素要求量)の値と大腸菌は国の定めた基準を大きく超えるということでした。しかし、BODんついては、分流式での1年間のBOD負荷量との比較で総量がほぼ同じになることから、BOD値を減らす対策はとらないということであり、大腸菌については第2期(平成23〜26年度)に消毒施設を設置するとの説明でした。
 志村議員が、BODを減らす対策をとるとすればどのような方法があるかを質すと、最初に放流する部分を貯留槽に溜めておき、晴天時に汚水処理場に送る処置が有効との説明でした。
 志村議員は、「改善計画といいながら改善が計られていないのは残念だ。貯留槽を建設するにはどのくらいの費用がかかるのかの検討もせずに、年間のBOD放流負荷量が基準値を超えていないからとして、放流初期の汚い水をそのまま流し続けるのは問題だ」との意見を述べました。
 きょう雑物(ごみ)の削減については、第1期(平成17年〜21年度)にきょう雑物除去施設を設置する計画になっています。
 全体の審議時間が1時間半と言う制約を付けての意見聴取だったため、説明も質問時間も大変不充分なものであり、委員の中には聞きたいことや言いたいことが発言できない人もいたと思われます。
 今後は、出された意見を参考にして原案が作成され県との協議、国の同意を得て、計画となります。