市内各地で冠水、床上浸水82件、9月4日深夜の集中豪雨被害 市の対応に遅れはなかったのか

 9月4日夜、関東地方における集中豪雨で、蕨市内に近年にない大量の雨が降り、いたるところで冠水、13日の市議会への報告では、床上浸水が82件、床下浸水330箇所にのぼりました。

 4日深夜から翌日にかけて市内各地で、家屋内に入った水をかきだしたり、水につかった家具を外に出したりする姿があり、市職員も多くが対応にあたりました。日本共産党市議団も、市民の状況把握や市との連絡、市民への援助・協力を行いました。

 当日は、4日の午後5時過ぎに大雨洪水警報が発令され、夜10時に、市職員が災害対応の体制にあたる1号体制が市長から出されました。南町ポンプ場の雨量計データによると、夜8時40分頃からどしゃ降りとなり、小雨になった10時40分までの2時間に、131oという大量の雨が降りました。1時間の最大雨量は9時40分からの71oでした。蕨市の下水道は一時間50_までの雨に対応できる設計のため、市内各地で下水道管があふれ道路が冠水、北町を中心に多くの家屋が浸水被害にあいました。

 今回の水害では、市の対応の遅れが指摘されています。浸水が起きてから土嚢(どのう)が運ばれたことが明らかになっています。夜九時半には冠水が始まっていたのに、市の1号体制は午後10時だったこと。市職員や消防団が現場に来ても、なすすべなく帰っていく姿もあり、緊急時の指揮命令系統はどうだったのかなど、検証が求められます。

 日本共産党市議団はこれまで、かじわら秀明市議が市議会の一般質問で、水害対策を過去2年間で3回とりあげるなど、一貫して水害対策を求めてきました。北町一丁目の下水を市役所通り下にある調整池に流し込むための工事を2002年度と2003年度に行い一定の効果はありましたが、今回の豪雨には対応できませんでした。数年に一度のこのような豪雨に抜本的に対応するには、調整池を別に設けることや、家屋の底上げをはかるなどの対策が必要です。

 今回床上浸水にあわれた方には、市の災害見舞金制度が適用されます。被災届を福祉総務課(рS43‐7753)に提出し、一世帯5千円が支給されます。また、水につかった家具・備品などは無料で市が引き取りを行っています(生活環境係、рS43‐3706)。


水が引いたあとの様子(北町1丁目)。写真提供:蕨市秘書広報課)