違法公金支出返還請求事件の第二回口頭弁論行われる

 昨年11月、自民党の岡崎春雄議員と公明党の鈴木巌議員(当時)が、行政視察先で予定の視察市に行かず、競艇場に行って舟券を購入した事件がおきました。その行動に視察旅費として公金が支払われているのはおかしいとする市民から、「旅費の半額を返すよう市長は両名に請求すべきだ」とする「違法公金支出返還請求」の訴えがされ、現在、さいたま地方裁判所で審理が進められています。その第2回口頭弁論が8月30日に行われ、被告(田中啓一市長)側の主張が準備書面で明らかになりました。 田中市長側の主張の要旨は、「議会は、合理的な必要性があれば議会の裁量で議員を国内・海外に派遣することができ、議会閉会中は議長が決定しうる権限を有する。変更についても必要性を判断し、可否を決定しうる権限を有すると解される。戸田競艇組合からの事業収入は蕨市にとって貴重な財源なので、売り上げに関心を持つことは当然であり、福岡競艇の施設改善に関心を持つことは当然である。岡崎議員は議長の職にあったのであるから、視察先の変更の必要性を判断し、可否を決定する権限を有していた。総務常任委員長の了承も得た上で視察先を変更しているので、手続き上も違法性は存しない。議長に与えられた裁量権の範囲を逸脱するものではない。原告の請求は失当(当を得ていない)であり、棄却されるべきである」というもので、この主張に対する原告側の反論は、次回の口頭弁論(10月26日)までに準備されます。
原告側の弁護士は、「市長側がここまで両名をかばうのかと驚いた」との感想を述べていました。
日本共産党蕨市議団から志村茂団長が裁判を傍聴しました。