イラクの現状から戦争の悲惨を訴える高遠菜穂子さんの話に感動!―ピーストーク2005

 10月23日(日)、イラク支援ボランティア活動に取り組む高遠菜穂子さんを迎えた講演会「ピーストーク2005」が、蕨市民会館101室で開催されました。

 この企画は、憲法九条の改悪の動きや自衛隊のイラク駐留、小泉首相の靖国神社参拝など、平和をめぐる様々な動きがある中で、平和について考えるきっかけをつくろうと、日本共産党青年支部、日本民主青年同盟のメンバーなど、蕨・戸田在住・在勤の若い世代中心に実行委員会を結成してすすめられたものです。蕨駅前などでのチラシを配っての宣伝を行ってきたこともあり、約300名が集まり、立ち見が出るほどでした。

 高遠さんの講演は、2004年におきたイラクでの拘束事件に際して「心配と迷惑をかけた」ことへの謝罪から始まり、今でもあの事件とその後の世間の反応が深い傷になっていることをうかがわせましたが、イラクで起きていることを語る様はそれを乗り越えての、力強いものでした。

 報道の壁がありイラクの現状が世界に正しく知られていないこと、それを知らせるために高遠さんはイラク現地の人が撮影した映像などを使い、事実を淡々と伝えました。

 その中には、米軍によるファルージャでの掃討作戦で死亡したイラク人77名の遺体という衝撃的な映像もあり、参加者が手で顔を覆ったり、涙ぐむ姿が見受けられましたが、子どもも含む一般市民の無惨に変わり果てた姿が、米軍による攻撃の道理の無さを浮き彫りにしていました。しかし、正しい報道がされないため米軍の占領を許していることがよくわかりました。参加者から寄せられた感想でも「報道の壁を痛感した」と、会場の多くの人々がそのことを深く感じたようです。

 他にも「もっと大きな会場で多くの人に聞かせたい」「またこうした企画をやってほしい」などの声も寄せられ、実行委員会では次につなげていきたいと考えています。