蕨市議会が20日に閉会
蕨市議会が二十日に閉会
後期高齢者医療の準備が進む
障害者の負担軽減は前進
蕨市議会十二月定例会は二十日、市長提出議案八件について討論・採決(人事案件二件については五日に採決済)を行い、その後、議員提出議案三件を可決して、閉会しました。
七五歳以上の高齢者に大きな負担を押し付ける後期高齢者医療制度(国会で自民・公明が可決)を二〇〇八年度から実施するための「埼玉県後期高齢者医療広域連合の設立について」は山脇紀子議員が反対討論(記事別掲)を行いました。それに関係する補正予算と手数料の値上げになる条例改正に日本共産党は反対しました。他の会派は全議案に賛成しました。
一般質問者は十五名(九月議会は十一名)に増えました。その中には市民に負担増を押し付ける「行政経営戦略プラン」の推進を求めるものなど、市民にとってはありがたくない質問もありました。
障害者の負担軽減問題では、地域生活支援事業のうち、相談支援事業と訪問入浴サービスは無料、移動支援事業と日中一時支援事業は市民税非課税世帯に対して二分の一軽減する措置を十月から行ったとの答弁(志村議員へ)がありました。
国保税の改定はどうなっているか質問した議員がいましたが、担当部長は、「国保税の改定時期は今後検討する」と答えましたので、値上げ問題は来年六月三日の市長選・市議選後に先送りとなります。
今議会の開会前から、いじめ自殺の問題が社会問題になり、文部科学省と教育委員会の対応や把握の仕方が問題になっていました。蕨市でも二〇〇四年に中学生がいじめを苦にして自殺した事件がありました。そうしたことから教育まちづくり常任委員会の志村茂委員長は、同委員会において「いじめ及びいじめ自殺について」を調査事項とし、教育委員会事務局から聞き取り調査を行うことを委員会で提案。八日・十八日・二十日に委員会を開いて意見交換を行い、二十日に委員会で採決したところ、賛成二名(鈴木、小林各委員)、反対四名(江崎、須賀、尾崎、池上各委員)となり、委員会としては調査しないことになりました。
議会最終日の二十日、各常任委員会に付託された案件の委員長報告を志村委員長が行った際、江崎議員が議事進行をかけ、教育まちづくり常任委員会で「いじめ及びいじめ自殺について」を調査事項にしようとしたことが報告されていないことと、志村委員長が委員会を召集したことが職権乱用だと攻撃しましたが、問題になりませんでした。江崎議員の見識が問われます。
〈監査委員から要望された議員の不祥事の再発防止策の検討は一月に〉
七月に起きた出張先での議員の不祥事に関して、蕨市議会に監査委員から再発防止策を講じるよう意見が出されていた(十一月二十一日)問題では、既に内規や取り決めを定めている市の事例を議会事務局が収集してから検討することになっていましたが、十二月二十日になってもまだ調査ができていないため、一月に会派代表者会議で話し合うことになりました。
〈町会長連絡協議会から提出された議員の不祥事に関する意見書は議論せず〉
今議会に町会長連絡協議会(佐藤孝二会長)から、議員の不祥事問題に関する意見書(内容は別掲)が十一月三十日に議長あてに出されました。染谷議長が会派の代表にその内容を示したのは十二月十四日であり、「これは議長に出されたものだからいいと思った。十二月に配布した議会だよりには記事が載っているので理解されたと思う」と述べ、意見書を会派代表者会議の議題にしませんでした。しかし、議会だよりに掲載されているのは、町会長連協が求めているものとは大きくかけ離れています。議長は、きちんと要望に応えるべきです。
〈町会長連絡協議会から議長への意見書〉
貴職には、市民生活の安定向上にご尽力を賜り、深甚なる敬意と感謝を申し上げます。
さて、去る八月二日付けの新聞報道による問題は、二〇〇四年の不祥事問題の住民訴訟に関わる判決が五月に出され、その後の六月議会において種々討議された翌月の七月に今回の不祥事が発生したものであります。つきましては現在発行されている「議会だより」は、本会議の質疑応答のみでありますが、短期間の間に度重なる不祥事を起こしたことに多くの市民から関心の声が聞かれますので、今回起こした内容、結末等につきましても記載報告されるよう、ここに意見書を提出します。
尚、今後は委員会、研修会、視察等の公務についても〔会派・氏名を含む〕報告されるよう付け加えます。
併せて、議会事務局も同行していたとの事であり、今後此の様なことのないよう希望します。
また、多くの市民に対し拓かれた議会のもとに、ホームページでの公表も希望します。
〈議会だよりの改善に関する話し合いは一月に〉
議会だより編集委員会(一般質問者の氏名・会派名記載についてもそこで検討する)の設置について、会派代表者会議で話し合いましたが意見がまとまらず、引き続き一月に話し合うことになりました。