蕨市議会が閉会
表1
蕨市議会が閉会
日本共産党は、無駄使いを削り市民要求を実現する予算組み替え案を提示
蕨市議会3月定例会は3月23日、請願・陳情及び議案の討論、採決を行い、閉会しました。
今議会には、請願1件、陳情1件、市長提出議案42件(追加議案1件含む)の合計44件が提出され、日本共産党は39件に賛成、5件に反対(表1に議案等に対する各会派の態度を掲載)しました。
今議会に出された条例と予算及び補正予算から見えてくる蕨市政は、市民要求に一定の配慮をしていることと、まだ大型開発を推進する姿勢だということです。
市民要求に配慮した点は、行政経営戦略プランで2007年度に値上げする予定だった国民健康保険税と下水道料金の引き上げを提案しなかった(両方とも値上げをしないということではなく、今後検討すると答弁=志村議員の一般質問に対して=)こと、小学校3校7棟の校舎の耐震設計を耐震診断の結果が出る前から概算で予算化し、2012年度までに耐震補強が必要なすべての校舎の工事を行う計画にしたこと、障害者自立支援法の負担増に対して市独自の助成を行う(通所施設の食費を半額助成する。県内では進んでいる方)こと、蕨駅西口再開発事業基金に第二工区分の積立を行わず市庁舎整備基金に積立を行ったこと等です。
大型開発を推進する姿勢としては、蕨駅西口再開発事業補助金として5000万円(国2500万円、県1000万円、市1500万円)と、同事業に対する市負担金420万円を計上していること、中央第一土地区画整理事業を進めるために8264万9千円を投入する(土地購入が主であり、まだ工事に着手しないので中止することは可能)こと等です。
こうした予算に対して日本共産党は、大型開発の無駄使いをやめ市民要求を実現する予算に組み替える提案を志村茂団長が討論で示し(組み替え案は次号に掲載)、予算に反対しました。
一般質問は日本共産党の5人を含め14人が行いましたが、公明党は一人も行いませんでした。市長選に出馬を表明した庄野議員は、一般質問を含め本会議でまったく発言しませんでした。
議員の質疑権を不当に制限
今議会で、議員の質疑権を不当に制限することが多数決で行われました。2月13日に開かれた議会運営委員会で代表質問(又は代表質疑)について議論した際、各委員が考えていることに大きな隔たりがあったため、意見の一致が見られないという結論になったのに、3月定例会の日程を決める2月21日の議会運営委員会で日程の確認がされた後、小林正委員長が、当初予算の質疑は各会派一人に制限する(本来は各議員に質疑する権利がある)ということを突然議題にし、採決したいと発言しました。志村茂委員が、「議員の質疑権を不当に制限することであり、多数決で決めるものではない」と強く反対しましたが、小林委員長は強引に採決を行い、川島、比企、尾崎、松本各委員が賛成して決めてしまいました。議会の役割を考えない暴挙です。日本共産党は当初予算に対して3人が各委員会の所管事項を質疑する予定でしたが、梶原議員一人に絞りました。
議員の質疑をする権利を不当に制限する音頭をとった市民連合(一関議員と小林議員)は、一番重要な議案といえる当初予算に関して質疑及び討論を行いませんでした。議会で議論する重要性についての姿勢の違いを感じます。
その他、議員の発言と態度に関して特長的だったのは、自民党(岡崎議員)と無所属の会(池上議員)は全議案に対して本会議での質疑及び討論を行わなかったこと、小林議員は請願と議案5件に反対(一関議員は全議案に賛成)しましたが、討論をまったく行わないので反対理由がわからないこと、小林議員が委員会では補正予算に反対しながら本会議では賛成した(態度を変える場合、各会派に釈明する必要がありますが、小林議員はそれもしない)こと等です。日本共産党は、反対する議案は委員会又は本会議で、反対理由を明確に述べています。
各常任委員会報告で松本総務常任委員長は、退職手当条例の一部を改正する条例について梶原委員が反対討論を行ったのに討論があったことを報告せず、全員異議なく賛成したと報告する間違い(事務局が委員長報告を間違って書いたのを、委員長が気付かずにそのまま読んでしまった)をおかしました。梶原議員の指摘で訂正と追加報告が行われましたが、梶原議員が気付かなければ会議録が間違って作られるところでした。この間違いを指摘する議事進行に対して染谷議長はすぐに対応するのではなく、「後ほど対処する」としたので、志村議員が激しく抗議し、正常な運営に修正されました。
議員の視察先での逸脱行動に関して、昨年11月に監査委員から市議会に対して指摘があった「行政視察に関する取り決めの制定」については、染谷議長が議長の役割を果たさず、先送りになってしまいました。