index
後期高齢者医療の保険料に関する答弁の誤りを指摘

市民生活部長の不適切な答弁を志村議員が委員会で指摘
―国保税と後期高齢者医療保険料の比較でー


 6月4日の本会議で、民主クラブの大嶋公一議員が「国保から後期高齢者医療に移った人の負担は、増える人が多いのか減る人が多いのか」と聞いたところ、高森市民生活部長は「資産割があった人は後期高齢者医療にいけば資産割がないので、税額は大きく減ると思います。資産割は約7割ぐらい国保ではいたと認識しているので、全体的には減るのかなと。ただ、年金の低い方については負担感があるのかなという気はいたします」と答弁しました。しかし、この答弁で示された部長の認識には重大な誤りが2点あり、6日に開催された環境福祉経済常任委員会で志村茂議員が指摘しました。
1点目は、「資産割があった人は後期高齢者医療にいけば、税額は大きく減ると思います」という認識は間違っているということです。資産割が課税されていた75歳以上の人が後期高齢者医療に移った場合、家族構成、後期高齢者の人数、所得、資産割額によって、保険料が安くなる人もいれば高くなる人もいます。例えば、夫婦とも75歳以上で夫の年金が240万円、妻の年金が79万円の場合、国保の資産割が5万5930円(固定資産税額では15万9800円)以下の世帯は後期高齢者医療保険料のほうが国保税より高くなります(ちなみに、固定資産税が課税されている市民の半分程度は税額10万円以下です)。高森部長は「傾向として資産割がある人の場合は安くなると言った」と弁解しましたが、担当課長は、資産割がある人の中で負担が減る人が多いのか増える人が多いのかは「把握していない」と答弁しました。
2点目は、後期高齢者で国保税の資産割があった人の割合は7割ではないということです。高森部長は「資産割は約7割ぐらい国保ではいたと認識しているので、全体的には減るのかなと」と言いましたが、7割というのは、75歳以上の人がいる国保加入世帯3800のうち、資産割が課税されているのが7割ということであって、75歳以上の7割が資産を持っているのではありません。担当課長は志村議員の指摘を認め、75歳以上の人で資産割が課税されていた人の割合は「把握していない」と答弁しました。
このように間違った認識のもとに「全体的には減るのかなと」という答弁をしたことは、市民に誤解を与えます(蕨市の場合、資産割がなかった人のほとんどは負担増になる)。後期高齢者医療で負担が増えるのか減るのかということが国会でも大きな議論になっており、市民も関心を持っているときですから、軽率な発言は慎んでもらいたいものです。