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大型商店集積の三郷市の交通行政を視察 - 市会議員 かじわら秀明

県南都市問題協議会(県南協)の交通問題研究部会(川島部会長)は、1月19日に三郷市の「人と環境にやさしい街を創造するESTモデル事業」を視察しました。県南協は、蕨・戸田・川口・鳩ヶ谷の4市議会で構成し、県南部共通の課題について調査・研究をしています。

三郷市では、05年に郊外型ショッピングセンターの開店や、つくばエクスプレス開通などにより市内の交通事情が様変わりしました。

交通渋滞が激しくなったことから、公共交通機関の利用を促進するため、国土交通省の施策を取り入れ、このモデル事業を推進しています。事業は、バス利用促進、自転車利用促進、駅の乗り継ぎのスムーズ化、道路整備の4つの柱からなるとのことですが、この日は、自転車利用を中心に視察したものです。

私たちは、三郷市役所にて交通課長などから事業の取り組みの説明を受け、三郷駅北口にある自転車工房などを実地見学しました。三郷市は東側を江戸川が流れ、川沿い10qにわたりサイクリングロードが従来から整備されるなど、自転車交通のさかんな街です。市では、自転車道を整備し(計画では117q)、市内13ヶ所にサイクルアンドバスライド自転車置き場(計570台分)を設置し、自転車とバスの利用を促進しています。その一環として三郷駅には自転車利用促進サービスセンターを置き、自転車工房とレンタサイクルなどを運営しています。シルバー人材センターが実施している自転車工房では、リサイクル自転車の製作・販売の他、ブレーキなどの点検(無料)とパンク修理など(有料)を行います。見学の際には、小学生が修理を受けていました。

人口約13万人で江戸川と西を中川に囲まれ、南北に細長い三郷市は、交通体系も複雑です。鉄道はJRとつくばエクスプレス、バス会社は5社、街づくりには大手ディベロッパーが参画し、行政がどこまで指導・調整機能を発揮できるのかという疑問も持ちました。市内には大型店が多数進出していますが、過大な需要増、人口増見通しではないのか、将来費用負担などリスク管理はどうなっているかなど、都市計画行政にも関心が及んだ視察となりました。