index
小中一貫教育と図書館の指定管理制度を視察 - 市会議員 かじわら秀明

八女市教育長と意見交換する蕨市議(右が梶原市議)
八女市教育長と意見交換する蕨市議(右が梶原市議)
市議会の教育まちづくり常任委員会は、9日と10日の二日間、福岡県大野城市と八女市を視察しました。テーマは、大野城市が図書館運営、八女市が小中一貫教育です。

大野城市は人口約9万6千人、市域は27平方q。図書館を含め、ホール、生涯学習センター、女性センターを持つ複合施設「まどかぴあ」を、2006年から指定管理者で運営しています。指定管理料は約1億1千万円。うち人件費は16人の正規職員分で4千万円とのことで、一人平均250万円です。他に臨時職員とパート勤務分が800万円とのことで、いわゆるワーキングプァの実態がここにもあると実感しました。市の正規職員は全くおらず、厳しい財政事情の中で、人件費を抑制している姿がありました。蔵書数は約22万件で蕨市立図書館(約20万件)とほぼ同じですが、雑誌の種類が多く、資料購入予算約2千9百万円と、蕨の1千7百万円を上回っているのが大きな違いでした。

つづいて訪れた八女市は、ここ数年で1市3町2村が合併し、人口が約7万人、市域は482平方qで福岡県内では北九州市に次ぐ広さです。八女市では2年半の準備期間を経て、文部科学省から教育課程特例校の指定を受け、2009年4月に小中一貫校・上陽北汭学園(じょうようほくぜいがくえん)を開校しました。それまでの18小学校、10中学校のうちの、1小1中を一貫校としたもの。教育長と学園の中学部校長から、詳しい説明を聞くことができました(写真)。

中1ギャップの解消や学力向上が期待できるなどのメリット、小中の節目の意識が薄れる、中学教員の授業時数が増えるなどのデメリットなどの説明。さらに教育長からは、小学生の、県立・私立中学への進学が2割もある。市立中学では、学力向上と、不登校など「荒れ」の解消が大きな課題だとのことです。一貫校では一定の学力向上効果が出ているとのことですが、一貫校でない他の9中学校では、学力が県内平均をはるかに下回っているとのことで、教育長としての苦悩が感じられました。

大都市部では品川や横浜で小中一貫校が実施されていますが、課題も多く出されています。八女市の一貫校は、ひと学年が平均26人であり、少子化のなかで教育に特色を持たせたいと、苦肉の策として出された一貫校採用ではないかとの印象も受けました。