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阪神淡路大震災から20年 - 首都圏直下地震の減災対策を学ぶ - 市会議員 かじわら秀明

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15日に川口市内で県南3市の市議による県南都市問題協議会(県南協)の危機管理問題研究部会で、講演会がありました(写真)。講師は、20年前の阪神淡路大震災を神戸地域で経験した、防災アドバイザーの水島重光氏。減災の視点から地域コミュニティの取り組みを考えるという内容でした。

参考になったいくつかのポイントを報告します。第一に、東日本大震災でも課題となった物流の変化です。20年前に比べ、さらに東日本震災時に比べても、在庫を減らす企業経営が進んでいるため、家庭に7日分の食料と水の備蓄をする必要性、さらに、紙おむつと生理用品も備蓄に加えるべきとの助言でした。

第二に、自治会に防災部会を作る重要性を強調しました。蕨では自主防災会内に専門家を養成する取り組みが始まっています。大災害時には、行政が全ての家庭や町会への対応ができないので、自主防災会の機能強化をと呼びかけました。阪神淡路大震災の初日の様子のビデオが流され、消防車がほとんど走っていない様子もわかり、行政の限界を考えざるを得ません。

第三に、地域の防災マップの整備です。どこに寝たきりの人や重度障がい者がいるか、赤ちゃんがいるか、外国人がいるか、地域ごとに話し合って地図をつくり、避難所にどんな機能があるかも記入する。プライバシー保護より災害対策が優先だとの理解を、自治会で啓発している実践例が紹介されました。

蕨市の新しい地域防災計画では、避難行動要支援者への対策を拡充しています。視覚・聴覚の障がい者、重度障がい者や介護度の重い人について、本人や家族の同意を得て、要支援者リストを作り、安全に避難できるよう支援する内容です。避難所は女性の視点に立った設置の見直しをはかり、備蓄品は、飲料水や食糧の目標量を増やすことや、トイレ処理セットを現在の9千セットから、6万2千セットへ目標を大幅に増やしました。こうした防災計画を補足する講演だったと言えるとともに、大地震は必ず来ると覚悟して、議員のひとりとして減災に取り組む決意を新たにしました。