index
日本人を幸せにする経済社会とは〜森永卓郎氏が講演〜
一区議長会研修会報告

1月21日、埼玉県市議会第一区議長会主催の議員研修会が草加市文化会館を会場に行われ、独協大学教授で経済アナリストの森永卓郎氏が「日本人を幸せにする経済社会とは」をテーマに講演。日本共産党蕨市議団からは4人全員が参加しました。
 講演で森永氏は、冒頭、「日本ばかりか世界が弱肉強食の時代になってきている」と1%の人が資産の半分を所有している状況等を紹介し、経済格差が拡大した問題を指摘しました。最初の事例として、イギリス・サッチャー政権時の「構造改革」に言及し、?小さな政府と民営化の推進?徹底した社会保障の削減?金持ち減税と庶民増税?金融資本主義の推進が行われたことを紹介。アメリカのレーガン政権に続き、日本においては小泉政権が郵政民営化等とともに「構造改革」路線をすすめ同様の流れが作られてきた経緯についても述べました。
 さらに経済(学)でも、人を「モノ」として扱い、使い捨てにして利益をあげる考え方や、「お金」を使わずに増やす(ためる)ことだけが重視される「お金中毒」の状況が広がっていること、さらには、すでに東京の一部ではバブルとなっている現状など、自身のこの間の取材や経験に基づき、ユーモアも交えながらも鋭く指摘。「日本の方向は大きく間違っている」と述べ、日本・アメリカ・イギリスでみられる異常な長時間労働社会が幸せであるのか、と問題を提起しました。
 その後、森永氏は、日本がめざすべき経済システムの例としてイタリアの状況を紹介。価格競争に左右されない独自の価値ある商品を生産すること、多彩な市場ニーズに対応する上で「現場への権限移譲」が大きな効果を発揮し、労働時間の減少にもつながっていること、「絶対に暗くならない」職場が特に重要であること等を強調しました。
 最後に、「地方自治体として何を行えば?」との質問に、「非暴力・不服従」のガンジーの考え方を紹介し、身近な人から助けること=地元のものを買う(使う)ことで格差が縮小するとの考え方を示しました。