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「食品ロス」を貧困世帯などの支援に活用する取り組みを学ぶ - 県南都市問題協議会・環境問題研究部会報告 - 市会議員 鈴木 智

10月21日、県南都市問題協議会の環境問題研究部会でのテーマは「フードバンク山梨の活動について」。NPO理事長で全国フードバンク推進協議会代表の米山けい子さんより講演をしていただきました。

今日の日本で、まだ安全に食べられるのに捨てられてしまう食品、いわゆるフードロスは632万トン、全世界の食糧援助量全体の474万トンを上回る状況と言われています。フードバンクは、そうした食品を企業や家庭から寄付してもらい、困窮した家庭や支援施設、子ども食堂などの活動に届けることで支援を広げる活動で、全国推進協議会には17団体が加盟。米山さんは8年前に一人で活動を開始。山梨県内で賛同者・協力者を広げてきました。

食品の安全性や支援先の家庭の思い、寄付する企業の立場などに丁寧に向き合い、様々な注意や工夫を凝らしながらの活動は地道な作業の積み重ねです。子どもが、届いた食品を「お宝」と呼び大喜びする様子を伝えるテレビの映像も紹介され、貧困に直面する人たちには大切な支えだと実感しました。相談活動や学習支援にも力を入れています。

基本的に、企業や個人からの食品・資金の寄付による活動ですが、行政との連携は欠かせません。自治体の委託内容によっては、十分な対応ができなかったり途中で打ち切らざるを得ないケースもあったとのこと。講演会後の意見交換で米山さんは、月2回の支給を3か月間、年間300世帯ほどに支援している現状について「まだ足りない」と評価。また、「『貧困』の実態は、他の人たちからは見えにくい。2極分化している」と述べ「『貧困』をなくす行政や議会の取り組みに期待する」と語りました。

市民活動の力強さと、行政・議会の役割について改めて考えさせられました。