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PFIによる市庁舎建設事業(橿原市)と地域自治組織の取り組み(豊中市)を視察〜市会議員 鈴木智

 11月9〜10日、総務常任委員会の行政視察がありました。
 9日に訪れた奈良県橿原市は、大和三山や藤原宮など多くの史跡が有名です。現在進められている八木駅南市有地活用事業は、PFI事業で庁舎(総合窓口業務等)と宿泊施設等の複合施設を整備する内容で、PFI事業は、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金や経営能力を活用して推進するもの。本事業では、市が建設費用をPFI企業に20年割賦で支払い、ホテル事業者から宿泊棟の賃料を受け取る構図。ホテル建設に伴うリスクは市が負います。観光客が通過する現状への対策として期待される一方で、賃料収入ではホテル建設費用に見合わず、割安の賃料で特定事業者に賃貸することになること等、課題や矛盾として指摘されています。
 国が推奨するPFIですが、近年、破たん事例や制度の矛盾も報告されています。自治体により事情が異るため一概には言えませんが、蕨市庁舎の建て替えを想定した場合、PFIの必要はなく、慎重な議論が必要であると感じました。
 10日に訪れた豊中市は人口約40万人。他自治体と同様に、地域コミュニティについては、少子高齢化や担い手不足、近所付き合いの希薄化などの課題が指摘されています。こうした中で取り組まれているのが、自治会や自主防災会、PTA、老人クラブ等の縦割りの地域組織を「地域自治組織」として繋ぎ、地域担当職員が市の各担当・窓口との連携を支える取り組み。いっせいに実施するのではなく、地域ごとにできるところから、その地域あった取り組みとしてすすめています。実績はまだ多数とは言えませんが、多彩な活動が実績を積んでいて、地域コミュニティの力を実感。蕨での町会活動を支援するための参考になりました。