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堺市の教職員の業務改善と、高槻市の小中一貫教育を視察

堺市役所にて
堺市役所にて
10月26・27日、教育まちづくり常任委員会の視察で、大阪府高槻市(人口約35万1千人)、大阪府堺市(人口約83万5千人)を訪れました。

初日の高槻市でのテーマは、小中一貫のキャリア教育についてです。

第四中学校区(赤大路小学校、富田小学校、第四中学校)では、平成22年から文部科学省の研究開発学校としてキャリア教育の研究を進めるとともに、市の連携型小中一貫教育研究モデル校としてとりくみを行っていました。28年度からは市内全18中学校区で連携型小中一貫教育を開始しています。高槻市の9年間のキャリア教育とは、子どもたちが将来、社会の中での役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現する力を育む教育を言います。そのためには学校だけではなく、家庭や地域、大学、企業などと連携することで、社会とふれ合う教育を推進。第四中学校区を、「ゆめみらい学園」と位置づけ、総合的な学習の教科を「いまとみらい科」として、新しい教科を開発。小中の先生がメンバーとなり単元開発部会や、指導案検討部会を開催し子どもが解きたくなるような授業を研究。ゆめみらい児童生徒議会や、年一回のフェスタの開催、校区連携体育祭、防災訓練、地域の行事を盛り上げたり、地域清掃や、まちの真っ白な壁を児童たちが描いたりと地域との協働を進める中で、自分らしい生き方を選択できる力を育成していました。小中一貫して社会参画力をはじめ、困難にぶつかってもあきらめない力を育む教育を実践していることは学ぶべき点であったと思います。

2日目の堺市では市立学校教職員の業務改善をテーマに話しを聞きました。

堺市の教職員の休職者の半数以上が精神疾患であり、精神疾患による休職者のうち経験の浅い教職員や異動まもない教職員の割合が増えているとの現状がありました。特に教頭の深刻な長時間勤務実態から堺市の業務改善の取り組みが行われていました。勤務時間の適正把握で学校長は長時間勤務になっている教師をすぐに支援。業務のICT化、部活動は平日週1日、休日月2日以上のノークラブデーの徹底、小学校での少人数学級の導入、全中学に専任の生徒指導主事を配置、業務改善事例集の発行。メンタルヘルス対策では専門機関による模擬授業や教室に見立てた訓練など職場復帰支援は参考になりました。学校ごとで自由に使える公務・教務サポーターの配置や、様々なサポーターの配置、専門指導員による若手教員や管理職の育成、保護者対応や困っていることを何でも相談できる弁護士相談など、業務改善にむけた徹底した取り組みが行われていました。なによりも教職員が子どもたちと向きあう時間をふやしてあげたいという大義のもとで行っているという点は大変勉強になりました。ぜひ、蕨市でも問題となっている教職員の長時間勤務の解消にむけ、活かしていきたいと思いました。