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【3月市議会】暮らしを支え、未来を見据えた新年度予算が可決-3月定例市議会が閉会

蕨市議会2019年第1回定例会(3月議会)の最終日は、3月20日10時開会の予定でしたが、新生会の議員間トラブルをめぐり開会前から混乱しました。会派代表による協議や新生会内の調整が断続的に行われ、大幅に遅れて午後3時28分に開会しました。
 
その後、条例、補正予算、一般会計予算と順次可決されたところで、新生会・公明党による付帯決議〈※1〉が上程されました。日本共産党市議団は質疑を行い、新生会らの一方的な主張(デマンド交通〈※2〉など他の交通政策について検討がない、議会への説明が不十分など)を事実に基づき追及。討論では、日本共産党市議団と無所属が反対を表明、採決でも反対しましたが、新生会・公明党の賛成で可決されました。

その後、他の市長提出議案を可決した後、小林議長が辞任願を提出し議会はこれを許可、今井議長が選出されました。この間もトラブル対応のため断続的に中断し、閉会は翌21日の0時22分となりました。

〈※1〉付帯決議 議決された予算などに、希望意見を表明する決議。法的な拘束力はない。
〈※2〉デマンド交通 利用者が電話などで予約し、エリア内で乗り場や行き先を指定できる。多くの県内導入事例では、タクシーを利用し、利用者は距離に応じて300〜1000円程度を負担。事前登録が必要。

コミュニティバス・ルート拡充に否定的な新生会・公明党

共産党市議団が反論

付帯決議は、ルート拡充を「市民の多くが望んでいるものとは言い難い」「唐突に予算計上された」などと批判し、「総合的な交通政策」の報告書を作成し、議会に報告するまで、ルート拡充部分の予算執行を停止するように求めるものです。付帯決議の提出者である三輪議員に対して、日本共産党の鈴木市議が質疑を行いました。答弁した三輪議員は、コミュニティバスの運行や75歳以上への無料制度について「重要度は低い」「大きな財政負担」と否定的な意見を表明。一方、鈴木議員は、三輪議員が代表質問で検討を強く求めていたデマンド交通について、利用者が限られ利用者負担も大きくなること、人口密集地域での運行には向かないことなどを指摘。改めて蕨市に適した交通政策について見解を問うと、三輪議員は「専門家が調査し専門的な高度な見地からよく検討してほしい」と述べるだけでした。
 
その後、討論に立った鈴木議員は、コミュニティバスのルート拡充は長年にわたる市民要望であることを強調し、財政健全化を進めたうえでの提案であること、議会への説明は具体化に合わせて適切に行われていることなどを主張。市民の利便性向上はもちろん、新たな街の魅力につながる施策であり予算どおり執行すべきと述べ、付帯決議に反対しました。
大混乱をまねいた新生会の責任は重大

 新生会代表の三輪議員は、議長室で小林議長の行為により負傷し、警察に被害届を提出したと議会最終日20日の代表者会議で報告しました。一方、議長からは明確な説明がなく、党市議団は、事実解明と議長責任の追及を求め、終日、対応しました。

 深夜になり、議長の辞任の表明を受けて三輪議員が被害届を取り下げることが伝えられましたが、それで済む問題ではありません。言論の府である議会で暴力行為が発生したとすればそのこと自体が大問題。議会での重要議案の審議が滞り、詰めかけた傍聴希望の市民や深夜まで残ることとなった市職員などに多大な迷惑が及んだこと、さらに明確な事実関係が未だ示されていないことも重大です。
 
新生会は、会派の責任で事実を明らかにするなど、最後まで対応すべきです。

 この件は埼玉新聞、朝日新聞で報道をされましたが、26日現在、党市議団への取材は一切来ていません。