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デマンドバスより蕨市はコミュニティバスが有効(3・完)

連載の1回めは、バスのルート拡充を批判する新生会の議論への反論(7日記事)、2回めは、デマンド型交通の欠点について(14日記事)述べました。最終回は、再びデマンドバス(デマンド型交通)について、県内自治体の取り組みをみます。

利用者少なく負担が大きいデマンド型交通

デマンド型交通については県南都市問題協議会(蕨・川口・戸田の各市議で構成。2018年度に解散)の交通問題部会で、16年2月に北本市への視察があり、日本共産党の山脇紀子市議が参加しています。北本市は市域約20平方キロ、人口約6万7千人。バスは利用登録制で利用料金は3百円(障がい者など半額)です。病院の行き来の予約がとりづらい課題があると山脇市議が当時報告しています。

党市議団の議会中の調査では、北本市のデマンド交通は16年度の利用者数は延べ2万7813人、市の経費は約3千万円(一人当たり経費は約1100円)でした。また、人口約7万6千人の志木市(約9・1平方キロ)のデマンド交通は、65歳以上、妊婦・乳幼児などが対象で、料金は3百円から千円、16年度の利用者数は延べ4万5633人、市の経費は2902万円(一人当たり636円)でした。蕨市のコミュニティバスの一人当たり経費190円がいかに安いかがわかります。志木・北本の利用者数は3〜5万人ほど、蕨市のバス利用が約20万人で、多くの市民に使われていることもわかります。ちなみに、市民体育館の年間利用者数は約15万人、市民会館は約14万人です。議会では立憲民主党の一関議員が、「ほとんど(の市民がバスを)利用していない」と発言しましたが、これには多くの議員から失笑がこぼれていました。

一部議員はバス充実への妨害をやめよ

通信技術などの普及で将来、デマンド型交通が、人口密度の高い蕨市でも有効となる可能性はあります。しかし現時点では、定期運行型のコミュニティバスが、市の経費、市民の利用料金、市民の外出支援、いつでもぷらっと乗れる手軽さ(予約不要)から、費用対効果の最も高い交通施策といえます。新生会・公明党・立憲民主党は、市民の願いに反した妨害をするのではなく、19年度予算でのコミュニティバスルート拡充の一日も早い実現が望まれます。