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9月市議会・一般質問における市の共催・後援「基準」をめぐる議論について
民主主義を支える議論と市民共同の運動を(下)
日本共産党蕨市議会議員団

2018年4月7日付西日本新聞ウェブ版は、同月14日に前川喜平氏を講師とする教育関係の講演会が下関市と北九市で行われた際、下関市教育委員会は後援依頼を断り、一方で北九州市教育委員会は後援決定しました。また、15日に講演会を開く広島県尾道市の市民団体は「後援されない」と考え、後援依頼自体を控えたことも伝えています。尾木直樹法政大特任教授(当時・臨床教育学)の「…市政を混乱させたくない、との政治的配慮があったのだろう。主催者が後援依頼を自ら控えたというケースは逆忖度とも言え、市民が行政に期待できないとなれば民主主義の死滅につながる」、施光恒九州大准教授(政治学)の「…政治的な中立とは政権を支持する、支持しない両側の考えを、できるだけ幅広く聞いて議論できる環境を整えることではないか…」との指摘も合わせて掲載していますがきわめて重要な視点です。

全国的には、前川氏の講演会の市などの「後援」問題の他にも、平和のための戦争展への後援拒否、9条俳句問題、「表現の不自由展・その後」への政治的圧力や介入、度重なるマスコミへの政治的圧力等、近年、政権の見解に反する表現が問題視されるケースが多数報じられています。政権への忖度や、政治家の発言等による圧力が思想信条の自由や表現の自由を脅かす、民主主義にかかわる重大問題と言わざるを得ません。

表現の自由に対する侵害が公然と行われ、人権の抑圧と民主主義の破壊、そして戦争へ…。かつて日本が歩んだ暗黒の歴史を繰り返してはなりません。今回の「後援」問題は、単に蕨市だけの問題ではなく、全国で起きている異常な事態との関連で、人権尊重、民主主義擁護の観点から重大な問題と言わなくてはなりません。引き続き、平和や民主主義、人権を守るとともに、市民要求の実現目指し、幅広い共同を広げて頑張る決意です。