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【3月市議会・質疑】手話の普及啓発を 手話言語条例制定を質疑(市議会議員 やまわき紀子)

私たちが日々受け取っている情報は、ほとんどが音声言語です。文字による情報もありますが、そもそも聾学校において手話が禁止され、口を読むという教育が推奨された歴史は長く、年を重ねた多くの聾者の方が、日本語そのものの理解が難しいという状況があります。聞こえなくても文字で分かるだろうというのは間違いで、手話による情報提供が必要です。

 頼高市長はマニフェストに手話言語条例制定をかかげ、これまで聴覚障害者の方、聴覚障害者協会の皆さんとの懇談を重ねて準備がすすめられてきました。ついに今議会で条例の制定が提案されました。
 
「蕨市手話言語条例」では手話が言語であるとの認識に基づき、手話に対する理解及び手話の普及に関する基本的な事項を定め、すべての市民が共生できる地域社会の実現を目指すことを目的としています。手話の啓発普及のためさまざまな施策を推進してもらうよう強く求め条例について7点の質疑を行いました。

【山脇】聴覚に障がいのある人数はどうか。
【健康福祉部長】20歳未満6名、20代5名、30代9名、40代11名、50代12名、60代14名、70代38名、80代53名、90代以上20名の計168名。

【山脇】条例制定に向けて蕨市手話言語条例制定準備会の開催状況と策定会議のメンバーはどうか。
【部長】聴覚障害者協会4名、手話サークル5名、社会福祉協議会4名の計13名で、昨年1月に条例制定準備会を開催し、4回の会議を開催した。

【山脇】パブリック・コメントの結果はどうか。
【部長】手話への理解の促進、普及、環境整備など期待するご意見を25人から。

【山脇】市が推進する施策とはどのようなものか。
【部長】条例の周知、手話の普及等のためリーフレットを作成。テレビ広報番組の制作や市内の学校、公民館、事業所等と連携した手話講習会の開催など聴覚障害者協会をはじめとする関係者の協力で手話にふれる機会をふやしつつ手話の理解と普及に向けた取り組みを段階的に進める。

【山脇】手話通訳者の養成や手話教室の開催など、手話の普及啓発の取り組みをどのように拡充していくか。
【部長】今年度より手話通訳者養成準備コースを新設し、手話講習会は入門・初級・養成準備、養成の4つ。

【山脇】新年度予算には、165万円で手話言語条例周知等リーフレットの作成費が計上されているが、どういった広報や周知を検討されているか。
【部長】完成次第、広報に織り込む形で全戸配布を予定。あわせてホームページへの掲載、市のイベント等での配布などさまざまな手段、方法を通じて幅広く周知していく。

【山脇】制定にあたっての市長の考えや市長会見に手話をつけてはどうか。
【市長】聴覚障害者協会の皆さんからの声を聞いて、条例制定の気運が高まってきたため、マニフェストにものせて準備をすすめてきた。非常に大きい形ができた。なによりも障がいのある人もない人も共生できる町づくりに生かせるよう進めていきたい。新年あいさつなど重要な市長会見には手話通訳をつけていく。条例の趣旨を生かしていきたい。