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【3月市議会・開会】よりたか英雄市長の市政方針(後編)

◆未来に希望〜蕨の飛躍に向けた3大プロジェクト
(1)市立病院の建替えで、誰もが健康に暮らせるまち蕨へ
 施設整備検討委員会の報告から市立病院の建替えを進めていく方針を決定。今議会に、市立病院建設基金を設置する条例と、基金に10億円を積み立てる補正予算案を提出。新年度中には建替えの手法を決め、新病院の建設に向けて、大きな一歩を踏み出していく。「第3次健康アップ計画」を策定し、スマートウェルネスシティを目指していく。

(2)蕨の飛躍につながる蕨駅西口再開発事業の推進
 昨年8月から、地区内の道路を封鎖し、建物の解体工事が始まる。1月末には、地区内のすべての既存施設の引き渡しも完了し、本格的な建設工事の着工に向けて動き出す。新年度予算では、再開発事業への補助金として約3億2800万円を計上。再開発組合に対して支援を行いながら、令和8年度の竣工を目指し、事業を推進していく。

(3)市民サービスと災害対応の拠点となる市役所の建替え
 今年の秋には、建替え工事が完了し、新庁舎の開庁を迎える。新庁舎は「〜歴史・文化を活かし『未来の蕨』を創造〜人と環境にやさしく、市民に親しまれ、安全でコンパクトな庁舎」の理念に基づき、免震構造を採用して安全性が極めて高い構造となっている他、各階に多くの相談室を設け、一階には、玄関に蕨市にゆかりのある絵画などを展示できるスペースを設ける。イベントなど多目的に使えるスペースやカフェを整備し、そこには、WiーFi環境や蕨ブランド品なども備える予定。休日などは、カフェスペースと一体で利用できる玄関庭や通り庭、また、従前より広くなる駐車場は、市民のイベントなどにも活用。蕨の新しいシンボルとなる。新庁舎の開庁に合わせて、マイナンバーカードで住民票の自動交付などを行えるマルチプリンターの設置や書かずに申請を行える「スマート窓口」の導入など、市民サービスの向上と自治体DXの推進を図る。

◆選ばれるまちへ加速化する3つの重点事業の推進

(1)妊娠期からの切れ目のない支援と教育の充実
 「子ども家庭総合支援拠点」と「子育て世代包括支援センター」の機能を一体化した「こども家庭センター」を新庁舎開庁時に設置。新たに開始する「子育て世帯訪問支援事業」により、妊婦から子育て家庭、ヤングケアラーまで、支援が必要な方への「家事・育児支援」を行う。産後ケア事業を拡充し、子育てへの不安や心身の不調を感じる家庭を対象に、「短期入所型」と「通所型」の支援を開始する。市独自に、新生児1人あたり5千円を給付する「子育てファミリー応援給付金」をスタート。教育の充実では、国に先駆けての市独自の35人程度学級の実施や児童生徒1人1台のパソコン整備、英語4技能テストGTECの導入などに取り組み、学力でも体力でも素晴らしい成果をあげてきている。
 新年度から、全児童生徒のパソコンにデジタルドリルを導入し、基礎学力の更なる向上と一人一人の理解度に応じた学びを進める。学校体育館へのエアコン整備は、東小と南小での設置工事。西小、中央東小、塚越小での設計委託を行う。

(2)防災都市づくりの推進
 秋に開庁する新庁舎は、免震構造により、震度6強から7の地震にも耐えられる建物である上に、災害発生時には、災害対策活動を可能とする災害対策本部機能、災害用資機材の備蓄や非常用発電機設備、非常用排水槽などの業務継続機能を備える。新庁舎には、災害発生時の被害情報や避難所情報を収集・一元管理できる防災情報システムを導入し、新たに整備するデジタルMCA無線と合わせ、情報・通信体制の強化を図る。また、地域防災計画には、近年の大規模災害の教訓や課題を踏まえ、大幅な改定を行う予定。消防本部では、現在の「蕨指令1」に代え、新たに災害救助用資機材搬送車を導入する。第3分団の消防ポンプ自動車の更新を行う。

(3)日本一のエコシティ蕨を目指す取り組み
 現在、策定を進めている第3次環境基本計画に基づき、「日本一のエコシティ」に向けて、意欲的な取り組みを進める。第3次環境基本計画の素案では、重点プロジェクトとして、再エネ・省エネの加速化、ソーラー蓄電池ステーションの導入、カーボンオフセットの取り組み、エコグリーンの実行、そして、ゼロカーボンシティ宣言という5つの計画を掲げ、新年度においては、早速、再エネ・省エネ加速化プロジェクトに着手。地球温暖化対策設備等設置費補助金を抜本的に拡充し、個人に対しては、太陽光発電システムへの補助金を15万円に拡大。新たに、リチウムイオン蓄電池やEV・電気自動車、EVの蓄電を家庭で活用するシステムであるV2Hなどを補助対象に加える。太陽光発電や蓄電池については、市内事業者にも補助対象を拡大する。更に、エコグリーン実行プロジェクトについて、シェアサイクル事業を民間事業者と連携して実施する。