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蕨駅西口再開発 〜日本共産党はこう考えます〜

 「本当に市民にとって必要な事業か」「進めることは蕨の地域のためになるのか」市民に判断のための情報と機会が保障されないまま、第一工区では施行主体の組合設立に向けた動きがすすめられています。
 しかし、蕨市が行った市民意識調査では「駅前の整備」について「優先度が低い」という回答が「優先度は高い」とする回答を上回っていて、少なくない市民がこの事業を必要とは考えていないことが示されています。日本共産党蕨市議団は、議会活動などを通じて、以下のような問題点を指摘してきました。

【市財政への影響は重大】

駅西口再開発全体での蕨市の財政負担は20億数千万円。他に計画されている中央第一区画整理事業とあわせると、百億円ほどの市負担が大型開発のために見込まれています。また、これが蕨市の行政経営戦略プランなど、現在の市民負担増、サービス切り下げにつながっています。さらに、将来的にも、市民の暮らしを応援する施策や公共施設の建替えなどの障害になると懸念されています。

【2449uの土地が、1600u余りの公益施設に?】 〜これが有効な土地利用か〜

 第一工区に蕨市が所有する土地は、土地開発公社所有地も含めて2449u。その中には、1u当り八80万円以上も出して購入した貨物駅跡地1838uも含んでいます。
 この土地と4億8千万円もの財政負担をして蕨市が得られる公益施設の専有部分は1600u程度。これでは有効な土地の活用とはいえません。

【目の前に30階。近隣への影響は重大】 〜近隣住民への独自の説明はないまま〜

 第一工区では、30階建てのマンションを立てる計画です。事業地域はマンションや住宅が隣接していて、日照や風害、眺望や景観など、住環境への影響が懸念されます。また、騒音や工事関係車両の出入りなど、長期にわたる工事の影響も深刻です。
 当局は、「適切な時期に説明を行なうよう指導する」としていますが、その時期は、主な内容が既に決まった後。これでは住民の意見や要望を反映させることはできません。

【続く第二・第三工区の着工、他にも問題点が…】

 他にも、反対権利者を残している問題、近隣住環境への影響、情報公開のあり方など、問題は残されています。さらに、第二工区の商業施設は、全国の例を見ても、中心となる店舗や採算性、地元業者の営業等をめぐって、さらに大きな困難が懸念されます。
こうした問題点を残し、再開発事業の全体像が示されないまま第一工区だけ先行させ、事業を進めようというのでは無責任です。

【蕨の現状にあった土地利用の真剣な検討こそ必要】

 市長は、再開発を行なう理由として、人口が増え税収が増えること、公益施設が建てられること、駅前の活性化などをあげています。しかし、土地も含めた莫大な市負担が市民負担増につながっていることは明らかです。さらに、市民の声を聞かずにすすめられるやり方、駅前地域に一層の人口を集中させるまちづくりは、市民のためにはなりません。公益施設にしても、本当に必要であれば、これほどの負担をしなくとも建設は可能です。
 公共施設を建替えるにせよ、市民要求に使用するにせよ、市域の狭い蕨市にとって市有地は貴重な財産です。その使い方については安易な再開発ではなく、市民参加で真剣な再検討が必要です。

【「組合」の設立を中止して、事業の抜本的見直しを】

 いずれにせよ、こうした問題を残したまま、施行主体である「再開発組合」の設立を急ぐべきではありません。日本共産党は、事業の抜本的な見直しを求めます。