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軽度発達障害の子どもへの支援を

どの子も人間として大切にされ瞳輝くような豊かな教育が行われることを父母、教職員、教育関係者誰もが願うことです。障害児教育においても障害児学校、障害児学級、通級指導教室で学ぶ子ども達が増え、その増設と教育の中身の充実がいっそう求められているところです。
しかし、文部科学省は特別支援教育という名のもとに、全体の予算や人は増やさないで、特別支援教育の対象を通常学級に在籍する学習障害(LD),注意欠陥多動性障害(ADHD)高機能自閉症などの子どもへ広げようとしています。通常学級に在籍する軽度発達障害の子どもたちは、現在の障害児教育の対象の4倍以上いるといわれています。蕨市には医療機関で診断された児童生徒は通常学級に34人在籍しています。ここういった子どもたちへの支援は緊急の課題です。
埼玉県では、2005年度に全小中学校に特別支援教育コーディネーターを配置しました。しかし、そのための教員の加配はなく、現在いる教員の中から指名されています。通常でも日々多様な業務に追われている教員にさらに、コーディネーターとして、担任の相談助言、保護者の相談支援、個別の教育支援計画及び、指導計画の作成、校内委員会への情報提供、全教職員への共通理解の推進など、過剰な業務となっています。このような体制で、軽度発達障害をもつ子ども達への支援がうまくいっているのでしょうか。
障害を持つ子どもの悩みや状況は決して軽いものではありません。例えば、ADHDの子どもは、脳の働きに障害があるため、注意を集中する力や考えてから行動する力が弱いと指摘されています。授業中落ち着きがなかったり、周りから突飛と思われる行動をする
ことがあります。そのため友人関係がこじれて人間不信においこまれる場合や、周囲の大人が障害を理解せずに怒りつづけて子どもの心を傷つけ、一層深刻な事態に陥ることも少なくありません。また、保護者や教員は、周囲から子育てや指導の仕方が悪いからだと責められ、自信を失うなどその悩みも深刻です。
子どもの障害は、一人一人違います。その障害について理解とともにその子どもが背負っている悩みを受け止め、丁寧に関わる大人、専門家が必要です。現在まかされている担任では、盛りだくさんの教育内容や仕事の多忙化、しかも多人数学級では目をかけたくても限界にきているのが現状です。
そこで、日本共産党蕨市議団では、軽度発達障害の子どもを丁寧に援助するためには、臨時教員の配置が必要だと考えました。予算組み替え案においても、軽度発達障害等の児童生徒を援助するために各学校に一人ずつの教員の配置を具体的に提案しています。
そして、各校それぞれに軽度発達障害児を受け入れる通級指導教室の設置を提案します。県内にはわずか27教室しか設置されていませんが、軽度発達障害の子が通常の学級から通ってきて、週に1単位から3単位程度、児童一人一人の障害に応じた専門的な指導を受けることができ、障害の克服や改善を図るための場所となっています。また、担任との連携も図られ、通常の学級でも学習支援も行います。
日本共産党はこのように軽度発達障害等の子どもへの支援について具体的な提案を行っています。