川口駅東口(一丁目一番)再開発と蕨駅西口再開発
〜再開発・大型開発の問題点を考える〜
日本共産党蕨市議団では、頼高英雄氏や市民有志の方と川口駅東口第一工区(川口一丁目一番)再開発の視察を行いました(既報)。続いて、川口の星野市議などの協力を得ながら、この事業の問題点について学習。蕨駅西口再開発と共通する問題、検討すべき視点など、参加者の意見交換も行いながら認識を深めました。
【市民の反対でホテルが中止】
川口一丁目一番再開発(面積二・三ha)では、旧国鉄の土地を購入した川口市が最大地権者として参加する再開発(準備)組合を事業主体として進められてきました。また、当初のホテル建設計画が市民の反対のなかで中止。公益施設を建設する計画に変更されました。こうした点など、蕨駅西口再開発との共通点は多く見られます。
【公益施設ならいいのか】
現在、川口駅東口には高層の再開発ビルが建ち、保育園・図書館・行政センター・駐車場などの公益施設が準備(一部オープン)されています。しかし、これで市民本位の事業になったといえるのか…。
ホテル計画への批判の一つは、市が保留床を買い取り、安くホテル経営者に賃貸する点にありました。ホテルが公益施設に変わっても保留床を買い増しすることは同様です。広場を含む保留床の買取だけで市負担は八十億円程。一連の施設が駅前に必要なのか、この点がどの様に検討されたか問題です。再開発の成立が優先され、市の負担ありきの判断ではなかったか、こうした批判もあります。
【市が主導した再開発】
この事業では、組合施行といいながら市が全面的に関与。ゼネコンなどとともに主導してきました。
また、ホテル問題が争われる中で提訴された住民訴訟は、再開発事業に指導的に係ってきた第三セクターへの職員派遣の是非を問うものでした。判決は住民の実質的な勝訴。市民の側からは、大型開発に職員を投入してまで積極的に関与してきた市の姿勢に批判も出されています。
【市財政・市民への影響は?】
市の補助金・負担金、保留床の買取だけでも百億円を越えるといわれる財政負担であり、他にも駅周辺を中心とする開発やリング道路構想などもあり、蕨市と比べて財政規模が大きい川口市にとっても重荷にです。今年度から、蕨市より高い国保税が更に値上げされ、介護保険料の値上げや敬老祝金のカットなど市民生活への影響も出ています。また、下水道建設や着手した区画整理の遅れの問題も指摘されています。
【蕨駅西口再開発について】
蕨駅西口再開発も公益施設(保育園と公民館)を計画していますが、それが適当かは同様に問題です。また、市が主導してマンションなどを中心とする事業を進めている実態、財政への影響と市民への負担など、蕨市でも直面する問題です。
市政の中心を市街地などの開発に置くか、市民の暮らしを守ることに置くのか、規模の違いはあるものの、先行する川口の例は、その具体的な問題を私達に示しています。
|