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憲法九条の輝き心に響く
「九条の会」埼玉講演会に3500人

 憲法九条を輝かそうと活動する「九条の会」の埼玉講演会が9日夜、さいたま市の大宮ソニックシティで開かれ、3500人が会場を埋め尽くしました。参加には事前の申し込みが必要でしたが、一ヶ月前にはすでに満杯状態となり、参加を希望しながら入場できなかった人も多数ということです。
 講演は呼びかけ人で、作家の大江健三郎さん、評論家の加藤周一さん、作家の澤地久恵さんの三氏によって行われ、憲法と教育基本法について熱い思いが語られました。
 大江氏は憲法、教育基本法に共通して書き込まれている「希求」という言葉が、改定によってなくなれば、「戦後の苦しい状況のなかで、なんとか誇りにたる教育をつくろうとした憂い顔のまじめなおとなたちの希求はついに打ち崩され、改憲への道も一挙に開かれる」と警告しました。
 加藤さんは、「現実を理想の方に近づける努力をしながら、憲法九条を守る方角へ現実を動かすとはっきり示せれば、国際社会にも受け入れられる」とのべました。
 澤地さんは、侵略戦争をした日本の「あの焦土の中から生まれた、私たちがたった一つ世界に胸を張れるものが、憲法です」と訴え、戦前は人が人間らしい暮らしをとりあげられて死んでいった。憲法は、そういうものから解き放った」と語りかけました。
 蕨から参加した青年が「私たちが今の生活を送っているのも、先の戦争の犠牲の上に、日本国憲法と教育基本法が生まれたからこそだと思った。これを守り生かしていく取り組みは、一人ひとりを大切にするチャンスでもあると思う。周りの人ともよく議論していきたい」と感想を語るなど、参加者に勇気と励ましを与えた講演会となりました。