【投稿】餓死者を生んだ北九州市の許せない生活保護行政
「民主わらび」11月5日付に掲載された投稿をご紹介します。
蕨市生活と健康を守る会 会長 浅名勝次
私は、10月23日から25日に、北九州生活保護調査団に参加して、多くのことを学んできました。その一つは、北九州医療・社会福祉総合研究所の資料集です。大学教授の論文、市議会・県議会での議員の追及、弁護士や社会保障推進協議会の取り組みなど8項の報告があります。戦前の「富国強兵・殖産興業」政策からつながる、戦後の大企業本位の総合開発政策による市民生活無視の中で、今回の餓死事件(生活保護を断られた56才の男性がミイラ化した遺体で5月に発見された)が起きたことがよくわかります。
二つは、朝日健二さんの講演です。故朝日茂さんの生活保護をめぐって、結核重病患者の命をかけた「人間裁判」を、養子縁組をして夫婦でたたかった話で、たいへん激励されました。
三つは、小倉北区の生活保護申請相談会に参加して、当事者の相談にのったことです。Aさんは、75歳女性で市営住宅に一人暮し。収入は国民年金が二ヶ月で約5万5千9百円(ここから介護保険料1万1千6百円が引かれる)、遺族年金が月8千円しかありません。今年2月までは次男が助けてくれたがその後行方不明、長男は家庭の事情で援助できず、Aさんは区役所に5回も足を運び生活保護の申請に行ったが、職員から「私も親の面倒を見ている、子供に面倒を見てもらいなさい」と断られたと、涙ながらに訴えました。私は五件の相談を受け、昼休みは午後2時40分になりましたが、いずれも市保護課の対応に怒りを覚えました。
四つは、現地の生健会のみなさんとの交流です。餓死事件が何回も起きていること、窓口で相談者に申請書を渡さないので、市長あてに郵送して申請を認めさせたことなどが話されました。
五つは、生活保護裁判弁護団、研究者、各地の生健会の代表などの発言と行動から、ともにたたかう連帯を強く感じました。自民・公明の政治を変えるたたかいと結合して、全国的に運動を起こすことが大切です。
生健会をもっと大きくしなければと決意して帰ってきました。翌日の毎日新聞に「事前相談で門前払い? 生活保護 7割申請至らず 自治体で格差」の見出しで、6段記事が出ましたが、そこに私が相談している写真が載っていると、朝に知人から電話がありました。
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