ナマの声を届ける自治体キャラバンを蕨で実施
埼玉県社会保障推進協議会(社保協)は5月17日から、自治体キャラバンを開始。5月17日の初日は蕨市を訪れました。地元社保協の「社会保障をよくする蕨の会」(石川保会長)の加盟団体と県要請団で、12団体、35人が参加しました。今年は従来よりも懇談項目をしぼって実施。要請項目に市側が一括回答し、質疑応答をする進めかたで、密度の濃い懇談となるよう工夫がされました。主な質疑応答を紹介します。
国保税関係については、川口民商の代表が発言。所得2百万円の自営業者の窮状を紹介。国保税と年金保険料などで年間58万5千円も支払い、家賃を払うと21万円しか残らない。国保税減免と支払猶予を積極的に実施してほしいと求めました。佐藤医療保険課長は、減免の相談は多い、支払い猶予の相談はまだないが、あれば相談にのると答えました。
介護保険関係では、川崎介護保険室長が、国の制度変更で介護認定が軽く出る傾向があったが、いくらか是正してきていると説明。認定調査員の研修などで、特記事項の活用を強め、市民の生活実態に合わせた認定に努めていくと述べました。
障がい者福祉については、障がい児の母親が発言。4月から始まった夜間保護事業(蕨版ショートスティ)を評価しつつ、委託先である社協の正規職員6人のうち5人が、パン販売やリサイクルフラワーセンターの対応で外に出て、レインボー松原に残る正規職員が1人になる場合があり安全面で心配だと述べ、職員体制の充実を求めました。沖田福祉総務課長は、夜間保護は臨時職員を1人増員して対応している。レインボー松原への影響など、推移を見守りたいと答えました。
子育て関連では、新日本婦人の会蕨支部の代表が発言。4歳と0歳の子を持つ母親の声を紹介。育児休暇が明けると、0歳の子は市立保育園に入れず、やむなく家庭保育室を利用することになるかもしれないが、経済負担を市立と同様に軽減してほしいと訴えました。関根児童福祉課長は、今年4月の待機児童は47人だと報告。親の経済負担は従来からの問題で、引き続き対策を検討したいと述べました。
生活保障の分野では、蕨市生活と健康を守る会の代表が発言。最近の厚労省発表でも、生活保護を受けるべきなのに受けていない世帯が多数存在するとの報道をあげ、申請書を窓口において、誰でも気軽に申請できるようにすべきだと迫りました。沖田福祉総務課長は、「口頭でも申請は受けつける。まず相談にのって対応を考え、保護の申請が最良と判断したら申請書を書いていただくという考えで進めている」と答えました。
そのほか、医療生協の代表は、保険証が無く死に至った県内の事例を基に発言。「本当に困ったときは市役所へ」とPRをもっとしてほしいと述べ、障がい者支援団体の代表も、滞納相談を、ハローワークでの仕事探しや生活保護申請などへつなげていく、市役所内の横の連絡を強めてほしいと求めました。
この日の懇談には、日本共産党から全市議が出席しました。