わらび9条の会が高遠菜穂子さんを招き5周年記念講演会
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わらび9条の会で講演する
高遠菜穂子さん |
わらび9条の会は2月20日、「会」結成5周年を記念して、市民会館101室で講演会を開催しました。
講師の高遠菜穂子さんは、2000年にボランティアに専念する生活に入り、03年5月にイラクに初入国し、NGOと共に支援物資の手配や運搬などに携わりました。04年4月、4回目のイラク入国のときにファルージャ近郊で地元の抵抗勢力に拘束されました。同年8月にヨルダンからイラク支援を再開し、現在は、難民・国内避難民のサポートや医療支援などのプロジェクトをイラク人と共にすすめています。また、「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」の呼びかけ人になって活躍しています。
高遠さんは、ブッシュ米大統領がイラク戦争を開始した口実は、イラクが「大量破壊兵器」を持っているというものだったが、「大量破壊兵器」がないことはわかっていて攻撃したこと、「大量破壊兵器」がないことが明らかになると、9・11同時多発テロと結びつけ、「フセイン大統領はテロの首謀者のアルカーイダと関係がある」として戦争を続けたが、イラクはアルカーイダの原理主義とは相容れない対立関係にあり、そのこともわかっていて戦争を継続したことなどをわかりやすく話しました。
イラク人にすれば、アメリカ兵によって虐殺が繰り返されたことへの憎しみは激しく、イラクに派遣された多国籍軍が四十数か国に及ぶことから、外国人すべてを拒否するようになっていったが、日本人に対して友好的だったこと、それが変わったのは04年に陸上自衛隊がイラクに派遣されてからだと話しました。
アメリカ軍は報道関係者がいないところでイラク人に相当ひどい行為をしていたことが後になって加害者のアメリカ兵の証言で明らかになったが、当時、被害を受けたイラク人が同様の証言をし、それを取材した記者が記事にして本局に送っても報道されなかったことを話し、報道機関はなぜもっと被害者の話を報道しないのかと疑問を投げかけました。
親や子どもなど家族を殺されたイラク人は武器を持ってアメリカ軍と戦うようになる人もいるが、それは「レジスタンス」であり、自爆テロなどで多数のイラク人を殺しているアルカーイダなど外国の武装勢力とははっきり区別されている
こと、報道機関は「レジスタンス」と外国の武装勢力を一緒にして武装勢力と報道しているが、それは間違っていると話しました。
高遠さんは元イラク軍人と一緒に緊急支援活動をしましたが、彼は「武器を持ってアメリカ軍と戦うべきだ」という考えで、何度も激論したが、そのうち武器では人は救えないと言うように変わったと話しました。また、イラクを爆撃した飛行機は沖縄から飛んでいったことや、沖縄に駐留する海兵隊は北海道や静岡など全国各地の基地で演習を行い、沖縄で出撃を待っていると話し、イラクの問題は日本の問題であり、沖縄の米軍基地の問題は沖縄県民だけの問題ではなく、日本全国の問題であるということを最後に強調しました。
講演会の前に、わらび9条の会を代表して東顯代表が挨拶を行い、坂田良介世話人がわらび9条の会の5年間の活動紹介をし、悌煢p雄市長が来賓挨拶を行いました。また、秋山亜輝男教育長、志村茂、鈴木智各議員も参加し、最後まで熱心に講演を聞きました。参加者は約180人でした。
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