日本共産党市議団と他会派の意見の大きな相違点 - 蕨市立病院の存続について
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改善がすすむ市立病院 |
自治体病院の経営は、国の医療政策に大きな影響を受けます。
1980年代に自民党政権が進めた医療政策は、国全体の医療費をいかに抑えるかが中心で、その中で考えられたのが「医師の人数が少なければ医療費が減る」というものでした。その考えに基づいて医学部の入学定員が削減され、その結果、2000年代には人口10万人に対する医師の人数がOECD加盟国の中で最低クラスになり、医師不足が顕著になってきました。そういう状況の中で2004年に導入された「新臨床研修制度」は、大学病院に勤務する医師を減少させ、それが公立病院の医師不足(大学病院から派遣された医師に支えられていた)を深刻なものにしました。さらに診療報酬の引き下げが追いうちをかけて、全国的に公立病院の経営が厳しくなりました。
蕨市立病院も2004年度までは黒字経営でしたが、05年度に赤字に転落し、赤字幅は広がっていきました。この傾向は全国的なもので、公立病院の閉鎖や民営化がすすみました。
小児科医の不足は特に深刻で、出産できる病院・医院が減り続け、蕨市内では出産できる病院は蕨市立病院だけになりました。
こういう状況の中で07年に悌燻s長が誕生し、病院の経営改革に着手しました。しかし日本共産党以外の会派は改革の実効性を疑問視し、「経営状況が厳しいから公設公営にこだわらなくてもいいのではないか」「市立病院が今後どのような経営形態を選択しても非常に難しいんじゃないかと予測されます。また、今まで以上に大きな財政負担が市にのしかかってくると考えられます」「3年間で健全化を進めていくということですけれども、(平成)21年度、初年度は当然黒字化はできません。・・・もしかしたら、20年度(は)予想の4億を超えるような赤字幅も考えられるわけですけれども、そういった累積赤字額は、どの程度まで市として耐えていこうと判断しているのか」などと、蕨市立病院の民営化を求めるような発言をしてきました。
そういう市議会の中で日本共産党蕨市議団は、蕨市における公立病院存続の重要性を議会で主張し、市長や病院長、病院の職員等をはげまし続けました。
結果は、09年度(平成21年度)に見事に黒字にすることができ、10年度は黒字幅が広がる見込みです。
どの会派の主張が市民にとって良かったかは明らかだと思います。
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