社会保障キャラバン行われる
発言する参加者
社会保障キャラバン行われる
あったか市政への期待とともに課題も率直に提起
7月5日、蕨市役所にて自治体要請キャラバンが行われました。社会保障の充実のために、埼玉県社会保障推進協議会(神谷稔会長)が毎年実施しているもので、医療、介護、障がい者福祉、子育て・保育、最低生活保障などに関する要請書を事前に提出し、懇談をしました。
蕨市でのキャラバンは、埼玉県教職員組合の北村書記長(責任者)をはじめ、県市内の14団体から役員・会員31人が出席しました(日本共産党からは、志村・梶原両市議が参加)。蕨市からは、天野理事(総務部長)、佐藤健康福祉部次長をはじめ、関係課長・係長が出席。蕨市を代表して天野理事が、要請団を代表し北村氏が、冒頭それぞれあいさつしました。
懇談ではあらかじめ設定した5分野について順次、市が回答し参加者が意見交換しました。主な内容を以下に紹介します。
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@医療…要請団は国保税の税率改定を抑える努力を評価し、21年度・22年度に黒字化を果たした市立病院について、病院会計と、救急医療について質問しました。
A介護…生健会の代表と市内事業者のケアマネジャーが発言。介護の短時間化の実態と、福祉用具購入と住宅改修についての償還払い(いったん窓口で全額払い、保険負担分を後から利用者に返還すること)の改善要望が出されました。担当係長が、来年度から償還払いを廃止するよう準備していると答えました。
B障がい者福祉…スマイラ松原の利用者家族と障がい者ボランティアをしている参加者が、4月からの自立支援法移行に伴って、スマイラの職員が不足しているとの実感をこもごも話しました。担当課長補佐は、社会福祉協議会から報告が来ていないと答え、市と要請団の間で認識が一致していないことがうきぼりとなりました。また、入所施設設置の前年からつづく要望に対し、市は、国が施設を削減する意向で施設補助金を減らしている厳しい実態紹介とともに、市長マニフェストに合わせ、グループホームの設置に向けて検討していると答えました。
C子育て・保育…6月議会で市長が報告した新保育園の概要について質疑応答がありました。担当課長は「(民設の新保育園は)公立並みの質を確保できると考えている」と述べました。保育園に非正規労働者が多い実態についても、率直な意見が要請団から出されました。
D生活保障…生健会の代表が、生活保護支給を厳しくするという厚生労働大臣の国会での言明を厳しく批判し、ケースワーカーの増員と、弱者に寄り添う「あったか市政」の推進を要望しました。担当課長は、「常用労働に就けない場合の生活保護の廃止は、慎重に対応している」と述べました。
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最後に、キャラバン副責任者の坂田良介氏(蕨の会副会長)が、「市の皆さんは公務員として自覚と倫理観をもって、市民の暮らしをしっかり守ってほしい」と述べ締めくくりました。